「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        日本海海戦とマレー沖海戦

2010-05-28 05:02:26 | Weblog
105年前(明治38年)5月27,28日は日本海軍がロシアのバルチック艦隊を
日本海海戦で一方的に撃破し、日露戦争の勝利を決定づけた日である。敗
戦までは27日は「海軍記念日」として祝ったが、戦後は大東亜戦争への変
な”罪意識”からか国民の間から忘れかけはじめてきている。

僕らが子どもだった昭和10年代は、日露戦争が終わってまだ40年とは経っ
ていなかったから、周りには従軍した老人も沢山いた。学校でも日露戦争
を扱った教材が多く、今でも"皇国の興廃この一戦にあり”とか”天気晴朗
なれども波高し”といった日本海海戦時の言葉がすらすらと出て来る。東郷
平八郎司令長官や海戦には直接関係はないが、旅順港封鎖作戦で艦内で
不明になった部下(杉野兵曹長)を探そうとして戦死した、軍神、広瀬中佐
の話は文部省唱歌にもなっていて誰でも知っていた。

昨日朝のNHKラジオの”きょうはなんの日”で日本海海戦があった日と紹介
していた。”戦争”について変に敏感なNHKについては珍しいことだが、これ
は多分,司馬遼太郎の「坂の上の雲」の主人公、秋山真之が日本海海戦の先
任参謀として活躍していた話と関係があるのかもしれない。

歴史は正しく伝えられるべきである。若い世代が日本海海戦に改めて関心を
持つことは良いことだ。残念なのは日本海海戦にも匹敵する意義を持つ大東
亜戦争緒戦時のマレー沖海戦の勝利が、今では一顧だにされず忘れさられて
しまったことだ。第二の司馬遼太郎の出現を期待する。