「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        寒々とした陽気 寒々とした政治

2010-05-15 05:25:50 | Weblog
首都圏の陽気はまたここへ来て変である。八十八夜を過ぎたというのに朝など"寒々”
と感じる。今朝もラジオ体操に長袖シャツだけでは寒いので薄手のセーターをはしょ
った。普天間基地移設をめぐる政治の混乱のせいではないかという思いもしてくる異
常気象である。

日本が戦争に負けた昭和20年5月も異常天候で寒かった。亡父が残した日記によると、
”初夏だというのに、この寒さは如何”(11日)”気温上がらず冬シャツ、綿入れ姿一寸
変だ”(13日)”あと数日で6月だというのにネルの襦袢に袷、こんな変調な年は自分が
覚えている限り初めて”(28日)。

敗戦3か月前、東京は連日のように空襲に見舞われた。市民生活は惨澹たるたるもの
だった。配給の食糧もとだえがちで、空腹をかかえた毎日だった。この年、61歳だった
亡父は18貫もあった体重が13貫にも減ったと日記に書いている。異常気象がいっそう
身にしみたのだろう。

おとといの夜、中学時代の旧友と久しぶりで渋谷で飲んだ。友人は中小企業の社長で
まだ現役である。酔うほどに話は鳩山内閣の普天間移設問題になり、そのトバッチりか
景気がいっこうによくならないとこぼし始めた。総理の言葉が毎日日替わりで、この状態
が5月すぎても続きそうである。

駅前のビルの8階にある大衆向けのチェーン店の広い店内は、客がまばらで閑古鳥が啼
いていた。敗戦の年も政治はまったく基能を失っていた。あえていうが、この無能の総理
の下では”日本丸”は沈没してしまう。倒閣の声を大きくしよう。