「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       解けなかった普天間”連立方程式”

2010-05-29 05:44:00 | Weblog
”普天間基地移設は日本と米国、沖縄、連立三党との四元連立方程式のようなものだ。
スーパー・コンピューターでも解けない”-今年の1月頃だったと思うが、菅直人副総理
が国会で他人事のように言ったのを覚えている。昨日の鳩山内閣の辺野古移設への閣
議決定と、これに伴う社民党党首の福島瑞穂・消費者担当相の罷免は、まさにその通り
の結果である。

鳩山総理は菅副総理と同じ理科系出身の政治家である。文系に比べてもっと論理的な
思考の持主だと思っていたが、この数か月間の鳩山総理のまったく支離滅裂な迷走ぶり
を見ていると違っていた。四元方程式の一元は排除されたが、依然解決の糸口も見えぬ
ままの状態である。

鳩山総理は最初から方程式の立て方が誤っていた。もっと問題を簡素化して前政権の現
行案は定数としていじらず、その上にたって沖縄の負担軽減を変数とした方程式を作成す
べきだったのだ。問題解決が難しいのに、四元という複雑な方程式をたててしまったのが
そもそもの誤りだった。

北沢俊美・防衛相は鳩山内閣発足当初から普天間基地の移設は辺野古以外にはないと
言ってきた。菅副総理も四元方程式発言でも見られるように、鳩山総理の解決法には疑義
を持っていた。にもかかわらず、実のない迷走をし続け、いまだに解決の出口もみえない。

昨夜の鳩山総理の記者会見をみて、大方の国民は、国の政治の舵取りをこの男に任せて
大丈夫なのか、改めて危険に感じたのではなかろうか。同じ思いの閣僚もいると思う。辞め
るよう直言すべきである。