「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本スペイン交流400年 巡礼地ブーム

2014-05-13 05:32:55 | Weblog
2013 ~14年にかけ日本スペイン交流400年交流行事が色々と展開されているが、スペイン北部の巡礼地、サンティアゴ.デ.コンポステ―ラが、日本の観光客の間で静かなブームのようだ。先日も安倍総理がスペイン訪問中、わざわざ、この地を訪れラホイ首相との昼食会に招かれ歓談されている。これに先立ち、昨年11月、駐日スペイン大使夫妻が、四国巡礼地へ赴き、白装束、菅笠、金剛杖姿で写真に収まっているのを見たが、両国の間で”巡礼地”観光をめぐって取決めでもあるのだろうかー友好親善でよい事だ。

400年記念行事は1613年、仙台藩の伊達正宗が支倉常長らの遣欧使節をスペインに送ったのを記念して行われているが、2000年には同じように日本とオランダとの間で、1900年にオランダ船が大分県臼杵海岸に漂着したのを記念して400年行事が行われた。僕はその行事の一つに関係したがせっかくの親善行事だったのにイヤな思い出しか残っていない。オランダ側が親善行事なのに、先の戦争中の資料展に名を借りて、反日展示会を各地で開いたことだ。日本とオランダとの関係は、長崎出島貿易の300年などスペインより、はるかに深い。それなのに僅か3年余りの戦争体験を持ち出し、相手国の国内で反日を喧伝した。

戦争中スペインは内戦(1936年―39年)は内戦もあって、フランコ政権は遠い極東の地の戦争には関わり合いがなかった。これに対してオランダは、蘭印という最大の植民地を失った。その違いである。心情的にオランダの気持ちは理解できるが、たった3年余りの戦争のために400年の友好行事を台無しにしてしまった。巡礼地観光外交の方が、より前向きで建設的である。