「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

夜間外出禁止令 楽観は禁物

2014-05-23 05:39:27 | Weblog
戒厳令下のタイで、軍当局は治安維持のため「国家平和維持評議会」を組織し全権を掌握した。軍によるクーデターである。これにより夜間外出令も出され市民生活に大きな影響が出ることになる。5万人もの在留邦人の生活は大丈夫なのか。現地からの報道によれば、平穏で空港への夜間離着陸も平常通りのようだ。クーデター慣れしている、この国の事だから、安全とは思うが油断は禁物である。

夜間外出禁止令といえば、1966年3月、インドネシアでも9.30クーデタ未遂事件後の混乱で夜10時から翌朝5時まで、市民は外出を禁止されていた。当時、日本からジャカルタ行の飛行機はシンガポール経由で運航されていたが、赴任のため僕の乗っていたJALは、夜間ジャカルタ空港へ着陸できず、一夜シンガポールで足止めされ、翌朝インドネシア入りした。

夜間外出禁止令下の生活は不便であった。僕はホテルに宿泊していたが、夜間は取材もできず、じっと部屋に閉じこもっていた。当時、日本人の間では麻雀が流行していたが、知人の家で遊んでいても9時頃になると、いそいそとホテルへ帰った。夜間外出禁止令は英語で「curfew」という。もともとの意は教会の修道院の消灯の鐘の音だそうだが、インドネシア語では、たんに「Jam malam」(夜間時間)といった。「Jam malam」は僕が初めて覚えたインドネシア語の一つだ。

日本の現地からの旅行会社は観光には影響ないと楽観しているようだが、夜間外出禁止令下では、銃殺されることもある。”平和ボケ”している日本人が多い。注意にこしたほうが好い。楽観は禁物である。