東京首都圏は連日30℃を超す真夏日が続き、若かった頃は暑さには強いと自負していた僕だが、すっかり元気がなくなってきた。日記をチェックしてみたら、ここ1週間、一度も外出していない。熱中症を気遣い、家人が外出を許さないこともあるが、僕自身にもその気力が薄れてきた。これはいけないと、運動不足解決のためリオ五輪の重量挙げ、三宅選手にも触発されて、昔、子供たちが使っていたダンベル(1.5キロ)を持ち出して朝晩1分間体操を始めてみた。
体力の衰えだけでなく、記憶力の劣化も激しい。ダンベルの言葉がすぐに出てこない。重量挙げのバーベルを検索してダンベルにたどり着いた。最近、80代半ばの老夫婦の日常会話には、こういった物忘れがしょっちゅうである。”あの””それ””あれ”と名前がすぐ出てこない。とくに人の名前がそうだ。
10年前はどうだったか2006年の日記帳を調べてみたら、二人とも元気であった。地域の早朝のラジオ体操には毎日参加していた。昼間、炎天下の中でも自転車に乗って、隣の町までスイカや泡盛を買いに出かけたり、バリ島へ8泊9日の旅へ一人で行ったりしていた。が、今はパスポートの期限もきれ、晩酌の習慣も止めた。心身ともに10年間の衰えを感じる。
救いなのはまだ、失われない好奇心と学習心である。恥ずかしながら、この齢になるまで、僕はダンベルが英語の”dumbbell"から来ていて、日本語の”鉄唖鈴”と同じ語源であることを知らなかった。どちらも”音が出ないベル”から来ていることを初めて知った。