「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

"余命一輪老桜ひそやかに"  呑川緑道の桜

2018-03-19 06:17:27 | 2012・1・1
東京に桜開花宣言に出たが、わが家近くの呑川緑道は如何がかと訪ねたが、まだ蕾のままだった。中で一輪、老樹の幹に一輪可憐な花を咲かせていた。(写真)そこで即興に一句”余命一輪老桜ひそやかに”。

呑川緑道は東京世田谷の深沢あたりを水源にして目黒、大田区を通り東京湾に注ぐ全長14.4キロの河川の上流4キロを暗渠にした部分である。この流域に昭和47年頃、ソメイヨシノなど桜300歩が植えられ桜の隠れた名所となっている。

桜が植樹された47年前、東京は公害のまっ盛りであった。近くを走る国道環状7号線の影響もあって、空は晴れた日でも太陽が見えず、呑川も下水道たれ流しで悪臭さえした。小学生だった長男は小児喘息になり病院通いをした。

偶然にも昭和46年、転職転勤の話がり56年まで10年間、僕は東京を後にして家族ぐるみ郡山、札幌に在住した。結果的にはそのおかげで、子供の喘息も回復、僕も公害全盛期の東京は知らないで済んだ。約半世紀を経て、呑川に植えられた桜も老木となり、一部は病害で枯れ始めてきたが、満開の頃は花見客で賑わう。しかし、最近すっかり名所になった目黒川の桜とは違い”緑道”である。月末には満開になろう。僕もあと残り少なくなったお花見をひっそりと楽しもう。