「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

福田(康)元総理の「南京虐殺」博物館訪問と危なかった一昔前の外交

2018-07-02 05:10:14 | 2012・1・1
十年一昔というが、10年前の平成20年(2008年)7月、小ブログが何を書いていたか読み直ししてみたら、8,9の両日、北海道の洞爺湖で開かれたサミット会議に絡んで当時の福田康夫内閣を5回も批判していた。サミットが北海道で開催されながら、来日するベドジェーエフ露大統領との間の「北方領土」問題についての話し合いを断ったり、すべてにわたって”ことなかれ”主義だというのである。振り返ってみると、当時の福田内閣の外交は、確かに拉致問題にしても対韓外交にしても解決への積極性が見られない。

その福田康夫氏が先日、上海での学術会議に出席した後、足を延ばして南京にでかけ「虐殺博物館」を見学、犠牲者に献花した後、黙祷”戦争の悲劇を繰り返さない、大勢の日本人がここを訪れ、歴史を学んで貰いたい”と語ったという(中国メデイア)あの、事なかれ主義の福田元総理の言葉としては信じがたい。それとも中国側の言う30万人虐殺を歴史として信じているのだろうか。それよりも大勢の日本人が歴史を学ぶため、訪れよというのは元総理の言葉ではない。

福田(康)は戦前生まれ(昭和11年)といっても敗戦時、「国民学校1年生」を歌った世代で、戦争については実体験はない。多少なりとも戦争体験があれば、南京攻略戦で30万人も虐殺されるなどありえないことだ。戦争である。広島、長崎の原爆の例を挙げるまでもない。福田(康)氏が総理時代、こんな戦争観をもって、すべて”ことなかれ主義で”当たっていたのだろうか。外交が停滞し、わが国にとっては危険な時代であった。