「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”69年”ぶり都立小山台高校野球部の決勝進出 青春の日々

2018-07-29 05:50:23 | 2012・1・1
高校野球も大詰めに来て、ひざ元の東京東大会でも都立小山台高校が準決勝で強豪の帝京高校を6対2で逆転勝ちし、これまた甲子園常連の二松学舎と優勝をかけて対戦したが、6対3で惜敗した。小山台高校(都立八高)は、2014年春のセンバツで二十一世紀枠での甲子園出場はあるが、夏はなく、決勝戦への出場でさえ69年”ぶりであった。”69年”前、昭和24年といえば、僕は前年、旧制中学を卒業、大学予科に入学に入学した年で、記憶にないが、この年は慶応高校が9対0で小山台高校を破って優勝している。

わが母校、攻玉社とは私鉄沿線の駅一つ隔てた距離にあり、幼な馴染の中にも小山台へ入学した友が多いが、野球部といえば、大学時代の友人の弟、海老坂武君が忘れられない。海老坂君は一橋大学の元教授で、フランス文学者、30年ほど前、ベストセラーになった「シングルライフ」(中公文書)の著者でもある。。ノーベル作家、大江健三郎とは東大で同学である。しかし、東大時代は野球部のレギュラーで一番ショート、長嶋茂雄と打撃ベストテンを争ったほうが知られていた。

僕は小山台高校時代の海老坂少年は知らないが、近所の碑文谷サレジオ教会の少年野球で白球を追っていた彼の姿はまだ目に浮かぶ。先年、僕は大腸ガンで入院生活をしていた時病床で、教授の近著「自由に老いる」(さくら舎)を読んだ。教授は生涯独身で、サルトルの実存主義の立場(?)から”おひとりさまのあす”を書かれている。サレジオ教会の野球少年の海老坂君の青春からは想像もつかない。69年の歳月である。