九州から東海にわたる15府県の広い地域に降った今回の集中豪雨で、被害が時が経つにつれて増えてきている。気象庁は事前から最大級の表現を遣って住民に注意を呼び掛けていたが、自然災害は避けられない。しかし、テレビの画面を見ると、昔はあまりなかった土砂の崩壊による事故が目立つ。治山治水には素人だが、人災ではないのだろうか。
わが国は地勢的にも気候的にも自然災害国である。13世紀の鎌倉幕府の3代将軍、源実朝は金槐和歌集の中で”時により過グれば民の嘆きなり、八大竜王、雨やめたまえ”と歌っているが、実朝は27歳で暗殺されるまでの短い人生の中で豪雨に直面、本来は祈雨の神である八大竜王に願いを乞うている。いつの時代でも同じである。
谷崎潤一郎の「細雨」で有名な阪神大水害は、やはり昭和13年7月に起きている。六甲での3日から5日までの総雨量は瞬間雨量は617ミリを記録住吉川,石屋川などが氾濫して土石流となリ、神戸市だけで616人が亡くなっている。しかし、豪雨による被害は阪神地区だけにとどまっている。
今回の豪雨災害の特徴は、山奥の小さな集落や離島での土砂崩壊が多いことだ。空中写真でみると高い崖が崩壊、赤茶けた地表をさらけ出し、その下に家屋が埋没している同じ構図である。集中豪雨だけではない。山林の日常管理に問題があるとしか思えない。そして流失した倒木が、下流に流れて橋にぶつかり、川をせき止める。限界部落と水害、無関係とは思えない。人災である。そし
わが国は地勢的にも気候的にも自然災害国である。13世紀の鎌倉幕府の3代将軍、源実朝は金槐和歌集の中で”時により過グれば民の嘆きなり、八大竜王、雨やめたまえ”と歌っているが、実朝は27歳で暗殺されるまでの短い人生の中で豪雨に直面、本来は祈雨の神である八大竜王に願いを乞うている。いつの時代でも同じである。
谷崎潤一郎の「細雨」で有名な阪神大水害は、やはり昭和13年7月に起きている。六甲での3日から5日までの総雨量は瞬間雨量は617ミリを記録住吉川,石屋川などが氾濫して土石流となリ、神戸市だけで616人が亡くなっている。しかし、豪雨による被害は阪神地区だけにとどまっている。
今回の豪雨災害の特徴は、山奥の小さな集落や離島での土砂崩壊が多いことだ。空中写真でみると高い崖が崩壊、赤茶けた地表をさらけ出し、その下に家屋が埋没している同じ構図である。集中豪雨だけではない。山林の日常管理に問題があるとしか思えない。そして流失した倒木が、下流に流れて橋にぶつかり、川をせき止める。限界部落と水害、無関係とは思えない。人災である。そし