「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

47都道府県「住んだ町」「旅した町」(北海道)小樽(1)運河  ニシン御殿

2021-04-17 07:11:44 | 2012・1・1
札幌の隣町小樽は電車でも1時間足らずだが、異国情緒の札幌と違って昔の内地の港の匂いがした。1970年代、札幌に勤務した筆者はその匂いを求めて札幌の「すすき野」から小樽の「花園」繫華街へ何回ともなく遠征した。当時、小樽は明治時代に掘った運河もレンガ造りの倉庫群もそのまま。「錨屋」という木造旅館も残っていた。

小樽はサカナのおいしい町である。明治から大正にかけて小樽はニシンの渡来(くき)で沸いた。当時の網元の家が港である祝津に「ニシン御殿」として残っており、観光で賑わっているが、筆者らは地元の人達だけ行く寿司店へ”はっかく”という断面が八角形の小樽だけのサカナや昔東京湾でよく獲れたシャコの”王様”、がさエビを握ってもらった。

小樽駅は東京の上野駅を模して出来たのだそうだが、筆者は周辺の迷路みたいな「三角市場」の雰囲気がすきだった。石原裕次郎らが歌った「小樽のひと」が世に出たのは昭和40年、もう半世紀以上も昔のことだ。運河の幅が半分になっても仕方がないのかも。