北海道では珍しい自然が共存する工業港湾都市である。人口は.17万人、札幌、旭川、函館についで4番目に多い。「トマコマナイ」という地名はアイヌ語で”奥まった沼の川”という意味だそうだ。確かに土壌は沼地や湿地帯が多く農地には適してないようだ。白鳥の渡来で有名なウトナイ湖もその一つだ。
江戸時代の末期、八王子の開拓団(同心)が入植したが寒冷の気候もあって開拓は失敗している。が、明治25年、炭鉱地の岩見沢と室蘭との間に鉄道が開通、石炭の積み出し港として急速に発展、のちに主要産業になった製紙工場も開業した。
苫小牧の銘菓の一つに市の花「ハスカップ」の実を原料にした「よいとまけ」がある。「よいとまけ」とは土地の造成工事などで働いていた女性工夫のこというが、いかにも大正、昭和にかけての苫小牧らしい命名だ。