その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

シルクロード・アンサンブル WITH ヨーヨー・マ (PROM 75)

2009-09-14 01:48:58 | コンサート (in 欧州)
 プロムスのダブルヘッダー第2試合は、ヨーヨー・マとシルクロード・アンサンブル。シルクロード・アンサンブルとは、「ヨーヨー・マが1998年に立ち上げた「シルクロード・プロジェクト」(古代の交易路シルクロードに今も息づく民族音楽を発掘し、現代の楽器や奏法との融合によって、音の文化遺産を世界に発信することを目的に設立された)を母体として活動するグループ」です。(http://www.e-shinshu.jp/yoyoma/#1 より引用)

 もともとよく知らなかったので、あまり行く気は無かったが、先々週のTIMES紙の土曜版でYo-Yo MAの特集記事があり、このプロジェクトのことが詳しく紹介されていて、興味深かったので、どんなものかと興味半分でチケット購入しました。

 夜10時15分からのコンサートであるにもかかわらず、ロイヤル・アルバート・ホールは満員。通常のクラシックの客層よりも随分若く、また中国系の人と思われる人も目立ちました。

 感想は、行って大正解。いろんな意味で、本当に楽しい音楽会でした。

 音楽は名前のとおり東洋と西洋が融合する興味深い音楽です。楽器もチェロ、ヴィオラ、ヴァイオリン、尺八、Taba(インド太鼓)、Pipa(中国琵琶)、Sheng(中国ハーモニカ、笙のような形)、Ruanが時には独奏、時には合奏で、生み出される音楽は、とても神秘的なものでした。言葉ではなかなか説明できないので、以下のユーチューブのサイトから是非、聴いてみてください。

The Silk Road Ensemble with Yo-Yo Ma (6/9/2009) - Arabian Waltz

Arabian Waltz, The Silk Road Ensemble with Yo-Yo Ma

 夜の遅い時間のコンサートという雰囲気も、妙に音楽にマッチしていた舞台装置でした。


 とにかくヨーヨーマをはじめ、演奏者が皆、音楽を心から楽しんでいるのが伝わってくるのが、楽しい。音楽はこうでなくてはいけない。


 それにしても、こうしたプロジェクトを進んで主導するヨーヨーマは素晴らしいと思いました。多分、ヨーヨーマ出演のコンサートでなければ、決してこのコンサートには行ってないだろうし、おそらく僕と似たような人は沢山いるでしょう。でも、そのお陰で未知の音楽に触れることができる。彼はきっと自分の個人としてのバリューも分かっているし、音楽家としてやりたいこともあって、こうしたプロジェクトを主導しているのでしょう。なかなか出来ないことだと思います。

 会場の大拍手に応えるヨーヨーマ。




 メンバー全員集合。


 自宅についたのは、午前1:00過ぎ。新しい分野の音楽を聴けた喜びとともに、ヨーヨーマから不思議なエネルギーをもらったように感じた演奏会でした。

Friday 11 September, 10.15pm – c11.45pm
SILK ROAD ENSEMBLE
WITH YO-YO MA
Various artists: Silk Road Suite
Giovanni Sollima: The Taranta Project
Angel Lam: Empty Mountain, Spirit Rain
Trad, arr. Li Cang Sang and Wu Tong:
Ambush from Ten Sides


* Quate from Time Review

From The Times September 14, 2009

Proms 73-76: Last Night of the Proms at the Albert Hall/ BBC TV/ Radio 3
Alison Balsom and Sarah Connolly were among the treats at the Last Night, while Yo-Yo Ma’s Silk Road Ensemble was glorious

Richard Morrison

After all that hauteur, Friday’s late-night Prom by Yo-Yo Ma’s Silk Road Ensemble was a glorious tonic: flamboyant and free-spirited. Not all its cross-cultural mishmashes were compelling, but all were played with such an enchanting sense of belief and such superior soloistic and ensemble skills that 3,000 people called for more as midnight approached.
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