その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

求む、若手業務研修社員!!

2010-05-20 05:12:02 | ロンドン日記 (日常)
 日本の大学生が海外旅行に行かなくなったという話しをよく聞くが、うちの職場も他人事ではない。

 海外の事業所で1年間働くトレーニー制度というものがあって、私の職場も募集をしているのだが、日本にいる若手社員がなかなか応募してくれないのだ。

 こういう言い方は年寄りじみているので嫌なのだけど、私の若手社員時代は、競争率が高くて、行きたくても行けない人がたくさん居た。それが、いまや、海外社費留学も海外事業所研修も同じで、手を上げる人が少なく、本部の人事部は「どうやって多くの若手社員に応募してもらうか?」を議題にして会議をするほどだと聞く。

 「採用が間違っているではないか?」とも思ったが、これはよその会社でも同じらしい。この間、日系企業のパーティーで某大手航空会社の人と話をしたが、航空会社の若手社員でさえ、海外勤務は人気が無いという。「若者の海外離れは、航空会社の場合、収入減にも直結する」と真顔だった。ホントかどうかわからないが、商社でも海外勤務を嫌う若手社員が増えているとの事。

 若い人には若い人なりの感性の良さや能力があって、常に学ぶところは学びたいと思っているが、この点に関しては、本当にその若い人個人も、そして日本の将来も心配だ。そんなに、内向きでいいか?

 上段に構えると、国とか企業の競争力としてこれで大丈夫かということもあるが、なによりも、外の世界・人を知り、違う価値観や生活や文化に触れるということは、すなわち自分を深く知り、他人を知るという、人としての幅を広げる大切な一歩になるはずだ。もちろん、海外に出ることが全てではないが、大きな機会であることは間違いない。

 行きたくない人を無理やり行かせることはできないし、そんなことをしても意味がないということはわかっているのだが、こんな現象に対して自分に何ができることはないのだろうか?経験談を話すつもりで、「僕が若手社員だったときは・・・」なんて話し始めたら、会話の機会すら失うだけだし・・・・
コメント
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