アマチュア無線局 JO1KVS

運用やグッズ、その他思いついたことを書き込んでいます。役に立たない独り言ですがよろしくお願いします。

富士登山 2014 須走口

2014年07月19日 14時40分01秒 | アマチュア無線

今年も富士登山に行って来ました。

今年のスケジュールは昨年と似た感じで

夜明け前から登山開始、昼すぎに登頂、午後2時頃下山開始、暗くなる直前に下山完了、という、うまくいけばそうなるプラン。

深夜弾丸では無いものの、これもまた弾丸登山ですから、日中は明るくて寒くなくていいのですがやはり無茶はあります。

で、実際には

須走口の駐車場に午後11時に到着。車中泊。

午前3時30分に目覚まし。おもむろに起きて、外は曇っていましたが案外暖かかったこともあり元気を出して準備を始め、登山口をスタートしたのは午前4時20分。

高山病予防のため、水分を多めにこまめに摂りながら深呼吸気味に呼吸し続けます。

最初は深い森の中、だんだん開けたところが出てきます。最初の山小屋の鯉のぼりが見えてきました。

さらに上の小屋も見えます。

森に入ったり出たりしながら歩いて行きます。

鯉のぼりの下まで来ました~。

ここが最初の山小屋、新六合目長田山荘です。

スタート地点が1960m、ここは2450m、約500mも登りました。

時刻は6時30分。2時間近くかかってしまいました。普通の人はもっと早いですけど。何しろこのコース、標準タイムは6時間半だそうですが、私は早くても8時間、だいだいいつも10時間かかってます。全員に抜かれ、誰一人抜いたことの無いペースですが。 (^^ゞ

富士宮口は2400mスタートですから、ここまでの労苦がそっくりハンディとなります。

さて、昼まで、いやせめて午後2時までに頂上、間に合うのか・・・。

持ってきたおにぎりを2個、菓子パンを一つ食べてスタートです。

途中この標高の登山道で見たことのないものが。残雪です。今年は残雪が多いと聞いていましたが、この先どうなっちゃうんでしょう。

(登山道での雪はこの先、無かったです。)

次の小屋が見えてます。遠く頂上も見えています。

という訳で2つ目の小屋、瀬戸館に到着です。標高2700m。ここで7時半過ぎ。前の小屋到着から休憩を含んで約一時間かかりました。(普通の人はもっと早いです。)

山頂ははるか彼方。けれどもう約700m登りました。今日は約1800m登るので1/3は登っています。

しかしまぁ荷物が重い重い。一歩一歩が辛い。こんなんで頂上まで着けるだろうか・・・。

こんな道を登っていきます。もう森はありません。

次の小屋は太陽館。看板には3090mとなっていますが2920mだそう。220m登り、ここで9時20分。

ちなみに下山道はここから南の方にトラバースして砂走りコースを降りることになります。これまでの2つの小屋は下山時は通りません。

帰りもここに立ち寄る事になります。

 

この小屋の北側には大きな雪渓があります。この時期だと毎年見ることが出来ます。

一休み終えて再スタート。ずっしりと重い荷物を背負う時、そしてトランシーバーを装着する時が結構きついです。

休憩後の注意、元気になったと思っても疲労は蓄積しています。元気に歩き出さずこれまで通りヘトヘトに疲れている時同様、トボトボと歩き出すことです。でないとすぐにバテてしまいます。

ここは高山なので一気に暴れると高山病になりやすいんです。以前8合目あたりで長く休憩して、元気になったと一気に小走りで歩いたら急斜面数十歩で足が止まり、高山病も一気に酷くなって一歩も進めず、仲間にトランシーバーでリタイヤを宣言し下山コースに逃げていったことがあります。あれは本当に突然襲われました。

もうひとつ、休憩時に一気に頭痛が強まることがあります。体は常に高度順応をしようと努力しているのですが、休憩時は呼吸、心拍数が下がるためか、高山病になりかけることが多いです。頭痛や喉、唇の乾きを感じたら、すぐに水を飲んで深呼吸を繰り返しましょう。

という訳でゆっくりと歩き出します。コースが空いているので、合う人とはほぼ全員とこんにちは、と言葉を交わします。小屋前で休んでいる人の前を通る時は省略することが多いのですが、とても空いているとここでも交わします。ここで挨拶した人カップルとはその後追い抜かれる時、頂上手前ですれ違う時、そして夜遅く駐車場でも再開し4回も挨拶しました。(笑)

次の小屋が屋根越しに見えています。頑張ってつづら折りを登っていきます。

途中で休んでいると先ほどのカップルさんが追い付いてきて通過。「手を前に下げてストックを後ろに突くと楽ですよ」と教えてあげました。

ダブルストックを使っている人は多いのですが、殆どの人が登りでも前に突いています。スキー場で緩い登りを進む時ストックを前に突く人は誰一人居ません。これと同様で登山でも後ろに突くようにします。後ろに突くと登りの推進力となるんです。もちろん状況によっては前に突く必要もあるのですが、これを知らない人が多い。もったいない。下山では前に突くのが基本ですね。

小屋が近づいてきました。ガスもかかってきました。

見晴館到着です。午前10時46分。標高は3200m。以前大雨の深夜にこの看板にたどり着いた時のことを思い出します。

風も強く、冷たくなってきて上着無しでは厳しいので一枚重ねます。通気性のあるソフトなものです。

ここでは荷物を降ろした後、写真を撮りに数段降りたりしました。荷物が無いと楽なこと楽なこと。以前富士登山では登った段を降りるなんて、勿体無くて絶対に出来ない、と思っていましたが、以前ガイドのお姉さんが重装備のまま後ろのお客さんを見に平気な顔して降りてきたのを見た時は衝撃的でした。その健脚ぶりに惚れちゃいそうでした。(笑)

またまたゆっくり再スタート。

次の小屋はすぐ近くに見えます。上から団体さんが降りてくるのが見えました。若い陸上自衛隊員の方々。途中ですれ違いましたが、皆さん元気に「こんにちは!」とか「ご苦労さまです!」と挨拶してくれました。こちらからもすべて「こんにちは!」を返します。そのうちどうしても声をかけてみたい言葉が浮かんで・・・思い切って最後の方の人に「レンジャー」って声かけてみました。そうしたら笑顔で「レンジャー」を返してくれました。イエスでもノーでも「レンジャー」なんですよね。たくさんの隊員さんと挨拶を交わしていると自然と元気に足が進み、元気をいただいた感じがしました。 ∠(`・ω・´)ビシッ

そして着いたのが下江戸屋。11時40分。3350m。150m登るのに休憩込みで1時間くらいかかっちゃいました。(´ε`;)ウーン…厳しい。

ちなみに下山ルートの吉田口と須走口はここで分岐。帰りにここで間違える人も多いので注意です。特に須走口はここを寄らずに通過するルートのほうが広くて目立つので注意が必要です。いつも帰りはこの分岐点付近で休憩して、間違えそうな人には声をかけるようにしています。

小屋前のベンチ、下山中のグループの一名が膝の具合が悪いらしい。リーダーも心配している様子。「テーピングのテープならありますけど、使いますか?」と声をかけた。するとリーダー、「テープ、そういえば私も持ってました、気づかせていただきありがとうございます!」とのこと。少しは役に立てたようです。

富士登山必携のテーピングのテープ、そしてキネシオテープ。3年前は砂走りで靴底が剥がれてしまった青年に一本差し上げて助けてあげました。年に一回しか登山靴を使わない人は靴底が突然剥がれるトラブルが起きやすいので気を付けましょう。

おもむろに出発。次は8合目です。

続いて8合目に到着。富士屋ホテルのトイレを使うため、裏側から入ります。トイレの前が少し広く風が避けられ、しかもほとんど無人状態なのでここで地元八王子レピーターとの交信を試したりしました。寒さも強くなってきたので上下合羽も着込みました。

8合目は山小屋が3軒あります。登山ルートが吉田口と須走口と合流するところ。ここは山頂ご来光を目指す時間帯以降しばらくは吉田口ルートの人たちで大賑わいとなるポイントで、一気に都会の喧騒になります。下の写真のところは人が毎晩ごった返すのですが、今日はもうこんな時間。下山客は居ても登山客はまばら。トイレもガラガラで使いやすかったです。

山小屋の間の道を抜けて次の山小屋を目指します。上に見えてます。これまでどおり一歩一歩歩くのみ。時間は人それぞれですが一歩一歩進んでいけばいつか必ず到着するんです。

到着しました。御来光館、3450m。13時17分着。

ここで肉まんをいただきました。300円は良心的ですね。あんまんも食べたかったのですが、今回甘い菓子パンをたくさん持ち込んでいたので、塩分補給も兼ねて(笑)肉まんにしました。最後の力は肉まんで。

ここで合羽の上にさらにダウンを着込みました。暖かい。だいぶ楽になりました。

御来光館を後に、残るは頂上までの急登です。ここから先は頂上のみ。休憩するところもありません。かつて過酷な状況でここを通過した時「もう山頂の小屋で暖まるしかない、救いは頂上」という思いで登ったことがあります。こういう無理はやめましょうね。

いつもの日の出前の登山では8合目以降この区間は大渋滞。ヘッドランプの行列。しばらく止まっては動く、を繰り返します。その動くときの速度が結構早い。皆さん山小屋で一眠りしているから元気元気。弾丸組は疲労困憊しているのでその差は歴然。止まっている時間が逆に救いになったものです。今回は時間帯的にガラガラの登山道。自分より後に登る人はほとんど居ません。渋滞とは無縁なのでただただマイペース、と言えば聞こえはいいですが、もう体力よりも気力、自分の意志との戦いです。

登山道を下山してきた人が少し居ましたが、この時先ほど挨拶したカップルさんと再び挨拶。本日3度目。他にも登山中に合った人と何人か会いました。

9合半の鳥居を過ぎれば頂上は・・・かなり上に見えますがもうすぐです。この区間は3歩で1m登るような急な段を登ります。これつらいのですが脚力だけじゃなく全身を使うので案外楽に標高を稼げます。

最後の鳥居、ここを過ぎすぐ先の折り返しを曲がると吉田口山頂です。

山頂到着しました~。3706m、久須志神社です。15時24分着。

あれ?最後の256m、2時間もかかってる。やはり厳しい。ダメですねぇこんなに時間かかっては。

富士山頂は危険なくらい暴風でしたので今日はここまで。これ以上は登りません。

頂上はガスがかかり、つめた~い強風が吹いて、突風ではザックに当たる強風で体の向きが変えられてしまうほど。建物の影で荷をおろし、山頂の小屋で熱いコーンポタージュ(缶)をいただきました。

無線をやるには過酷で素手でいることも困難なのでハンディ機でローカル局に山頂到着を報告するやすぐに下山を開始しました。時間もかかりすぎましたし。

という訳で急ぎ下山です。下山開始は16時。こんな時間に下山開始してはいけませんよ。ずっと小走りで降りていけるような人なら明るい時間に戻れなくはないですけど。と言うよりこんな時間に登ってきてはいけません、ってことですね。 (^^ゞ 12時までには降りるようにしましょう。

このくらい空いてしまうからでしょうか。登頂後すぐに登山道を下山してしまう人がチラホラ。本当は下山道は別のところにあるんです。トイレの先が下山道の入り口。大きくジグザグに降りていく砂利道があります。下り坂が得意な人はもう登りの数倍の速度で下山できます。私も最初はこの道に難儀しましたが、あちこち山に登って移動運用して足腰を慣らしたところ、皆さんと同じ速度で降りられるようにはなりました。が昨年の下山ぶりも酷かったですし、今年もどうかな、と思いましたが・・・登山よりは早いもののスイスイとは歩けませんでした。

下山時は登山靴の紐を、特に前の方から順にきつめに締めていきます。今年の靴はちょっと緩くて・・・靴ずれとは無縁なのは良いのですが。膝にはグルグル巻きつけるサポーターを装着しました。

下山道から登山道の山小屋を見ると、あれほど時間がかかった区間をいとも簡単に降りてしまいます。もったいないやら。でも少しでも早く車に戻りたい自分にはありがたい。

けれど重い荷物と日頃の鍛錬を怠った脚、特に膝は悲鳴をあげています。下山でもまた人に抜かれるだけで遅れるばかり。疲れたら休む、買っておいた食べ物を食べる、を繰り返して降りていきますが、登りよりも休憩する機会が少なく、水を飲む間隔も開いて気が付くと喉と唇の乾き、そして頭痛も。食べ物はマズく感じる。おっと危ない。高山病か?。下山中になるとはめずらしい。すぐに水分補給と深呼吸で頭痛は回復。

下山の苦行は続き、途中でスパッツの装着。これは砂走りに備えての装備。靴が埋まるほどの深い砂利を駆け下りるステージが待っています。これも脚力が普通にあればすごいスピードで降りられるのですが。

吉田口との分岐を過ぎ、須走口をひたすら降りていきます。見晴館、太陽館を進んできました。8合目あたりまではとても冷たい暴風で、これから夜になっていくことを考えて暖かい格好でいいと思ったのですが、7合に来ると少し気温が上がり、6合では合羽を着ていては暑いほどになりました。特に下半身はスパッツも装備しているので脱ぐのは大変、なので合羽は着たまま下山を続けました。

砂走り下山中に夜に突入。膝が辛いので速度も上がりませんが、登山よりは早いはず。ゆっくり行っても夜10時には車に戻れるでしょう。周りはだ~れも居ません。標高差1000mの間、小屋は無い(砂払い五合目というのがあるのですが、夜は閉店)ので、自力で生き延びなければなりません。気温も上がって楽になったのでその辺りで朝まで寝ようか、なんて思ってしまうくらいでしたが、無線を聞いて元気を出して、トボトボと進みました。

下山道路肩のロープとヘッドライトの灯りを頼りに進みます。左の方にある登山道には灯りがチラチラと。数人しか登ってこないようです。須走口は空いていていいですね。もちろん下山道には前を見ても後ろを見てもだ~れも居ません。

いつもなら遠くに見えてポイントとなる砂払五合目の小屋にいきなり到着。真っ暗でわかりませんでした。真っ暗な施設の前でしばし座って休憩。ここで午後9時。森が隣接しているせいか風は治まり、シーンとした静かな空間。今日初めての静かなひと時でした。

ここから一旦森に入ってまた砂利道に出てきます。この砂利道一定の斜度、一定の幅でずっと続いています。もう膝が辛いので大股で後ろ向きに進みました。一歩の幅を多く取れるので後ろ向きでもこの膝の状態ならこのほうが早い(危ないですけど)。最後の森に入ると足場が悪いので後ろ向きはやめて慎重に。ダブルストックで膝に負担がかからないように降りていきます。

以前は下山道と並行したり交差したりしていましたが今は登下山道共用になっています。時折登山客とすれ違いますが、「こんばんは~」と言いながらも暗闇に来るはずもない下山客にびっくりしている様子。暗い森の中に現れる怪しい存在ですね。頂上付近は冷たい暴風だったことなどを伝えました。森の中は風の影響が無く、伸登る皆さんは半袖一枚という服装の人が多かったです。こちらは合羽を着崩しているもののシャツの上に2枚来ているので暑い暑い。

自分はこれでもこの道を何度も通っているのでわかるのですが、初めての人がこのルートを夜降りるのは危ないですね。

まだ終わらないのかな~と森の中を下り続けるとやっと神社が見えてきました。ここからは数分でゴールです。やっと登山口に到着。「今降りてきたの?」と小屋や富士登山のガイドの人に声かけられました。

という訳で富士登山、終了!!。

さて、1960mの登山口から車が停めてある第三駐車場まではかなりの標高差が。おそらく車は標高2000mジャストの辺りに。ここを登るのが最後の苦行。第二駐車場のところで立ち止まっちゃいました。この登りの途中で上から徒歩で降りてきた二人があのカップルでした。今日4度目のあいさつ。

車に戻って装備、身支度を解除。ザックを降ろし、スパッツを外し、合羽を脱いで、普通の靴下、普通の運動靴にに履き替えて、ストックをしまって、ハンディ機をしまって・・・ウェットティッシュで頭、顔、耳、鼻などをケアして、モービルホイップを車に取り付け、一休みしてから運転開始。22時30分。何故かPポジションでセルが回らずびっくり。Nポジションでは?と試すと元気よく回りました。なんだったんだろう?

あざみラインを下って行くと濃霧。下界にずっと見えていた雲海の正体です。疲労とこれから襲われるであろう睡魔でこのまま運転して帰るのはちょっと危険なので一旦麓の道の駅「須走」に車を停めて仮眠しました。頂上付近で着ていたダウンをかけて熟睡。気がついたら午前4時を過ぎて明るくなっていました。昨日登り始めた時間ですね。午前4時半に運転開始、午前6時17分に家に着きました。

家に着いて真っ先にシャワーを浴びます。全身に浴びた砂埃、足元には細かい砂が。やはりかなり浴びていたようです。

翌土曜日はぐっすり休養。写真をパソコンに取り込んでブログ記事制作です。

登山中交信いただいた各局、声も枯れてMEMOも取れない状況でしたがありがとうございました。

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