数十年前には、人間を使った心理学実験が行われていました。
当然、倫理的に今は、許されないことです。
生後11ヵ月の赤ちゃんを恐怖症にするという実験です。
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恐怖の条件付け
「アルバート坊やの実験」
アメリカの心理学者、ジョン・ワトソン(1878~1958)博士は、
生後11カ月のアルバートという赤ちゃんを対象に実験を行いました。
赤ん坊に白いネズミを見せ、ネズミを触ろうとした時にだけ、その背後で鉄をハンマーで叩いて大きな音を立てる、というものです。
この実験を続けると、もともとはネズミを怖がっていなかった赤ちゃんは、
白いネズミだけでなく
白いウサギや毛皮のコート、
白いヒゲのサンタクロースなど、
外見の似たものまでも怖がるようになってしまいました。
これを「恐怖の条件付け」と呼びます。
人が感じる恐怖は幼年期の体験に由来するところが大きいのではないか、
とワトソン博士は主張しました。