うつ病、統合失調症、神経症性障害などの精神疾患患者が激増しています。
また、世界的にみても、過去25年間で精神疾患関連の負担は「劇的に」増加していると指摘されています。
にもかかわらず、問題解決のため「十分な投資を行っている国は存在しない。人間の健康の中で、精神の健康ほど無視されているものはないとも言われています。
世界保健機関(WHO)は、世界のうつ病患者は3億人前後、認知障患者は5000万人、統合失調症患者は2300万人、双極性障害は6000万人程度と推計しています。
日本では、厚労省が3年ごとにまとめる『患者調査』によると、2014年の精神疾患患者は392万人。
過去最高の数字である。前回調査時(2011年)は320万人でした。
3年間で70万人増えています。
1999年の調査では204万人で、
過去15年で患者数は、ほぼ倍になっています。
この数字の背景には、社会と家族、両方の要因があると考えられています。
さて、お正月休みを利用して、友人が勧めてくれた映画を観ました。
初めてブラジル映画を観ました。
映画「ニーゼと光のアトリエ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/b2/92efc87352ab69aa530722e5e39f693f.jpg)
実在の精神科医が、1940年代当時の精神科治療の常識に抵抗し、
患者さんを一人の人間として大切に治療しようと男性医師たちに挑む女性医師の姿を描いています。
東京国際映画祭で最高賞と最優秀女優賞に輝いたそうです。
「ニーゼと光のアトリエ」(2015年、109分)は、ブラジルの映画作品で、
1940年だい当時の精神病院が患者を人間扱いしておらず
ショック療法が当たり前とされていた時代ののブラジルの精神病院を舞台に、
患者たちに絵の具と筆を持たせて、治療していく女性精神科医ニーゼの奮闘を描いています。
監督は、ドキュメンタリー映画出身のホベルト・ベリネール監督で、構想に13年、撮影に4年をかけて、制作されたそうです。
2015年の第28回東京国際映画祭コンペティション部門で上映され、高い評価を得て、最高賞の東京グランプリと最優秀女優賞を受賞しました。
また、リオデジャネイロ国際映画祭2015で観客賞にも輝いています。
制作のきっかけは、監督が、ニーゼ博士の人生や仕事について書かれた本を読み、取材をしたことだということです。
もともとホベルトさんは撮影監督をする予定だったが、監督予定の人が責任の重さに耐えきれずに降板したのだとか。
この映画を作らなければならないという想いが強く、監督を引き受け、
何度も脚本を書き換えて、構想が始まってから13年たってようやく完成したという作品です。
「あきらめずにやり続けたのは、それだけこの題材が大事な映画になると思ったからです」と、監督は語っています。
こうした人道的な医師の力で、精神科の治療が改善されている歴史があることが分かります。
今年は、いよいよ、初の心理師の国家資格登録、スタートの年。
私も心理師として、ニーゼ博士の様な強い意志とクライアントを人として尊重する心、愛情を持って、仕事をしていきたいです。
人として、どう生きるのか?
実在の入院患者さんやニーゼ博士、医療スタッフらの姿を通して、自分の人生を考えるキッカケにしませんか?
この映画、オススメです。