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木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

漆の掻き殻

2009-12-12 22:16:18 | 
岩手県の浄法寺漆産業の松沢さんから漆の木が届きました。


早速2本ほどいてみました。
漆の木といっても、漆を掻いた後切り倒した木で「掻き殻」というのだそうです。
ブルーシートできれいに梱包されていました。


さらに、元と末の切り口にはビニールが巻かれていました。
今年漆を掻いた掻き殻なので、運送中さわってかぶれたりすることが無いよう丁寧に梱包されているのです。

この掻き殻、浄法寺漆産業の松沢さんのブログで知り、送っていただいたのです。
何にするのかと言うと、工房に立てて眺めたり、作品展の時に展示して、作品展に来ていただいた人に、少しでも漆について知り親しみを持ってもらおうと思いついたのです。
ところが、梱包をほどいて入り口に立てかけてみると、予想以上に樹皮と掻き跡のコントラストが美しく、実によい雰囲気になるのです。


どうです。良いでしょう。
そこで、1本は、工房の看板を兼ねて入り口に置くことを考えて見る事にしました。

漆を掻いた跡じっくり眺めてみると

樹液を出して傷を自ら癒そうとしている様子が痛々しくも感じます。
10数年もかかって作り出し、自らの命に代えて提供してくれている漆ですから、大切に使い、その良さを広めていけたらと思います。

梱包を解いてない3本は、同じ木工仲間の注文です。挽き物(ろくろ)や刳り物の材として使えないか試してみたいそうです。
松沢さん、漆生産組合の組合長さん、ありがとうございました。


今日はこのうれしい出来事の他に、悲しい知らせがありました。
中学校時代の同級生が、昨日急死したという連絡が入りました。
大変厳しい仕事、しかも単身赴任という環境の中でしだいに身体を蝕み、それが原因で倒れそのまま帰らぬ人となってしまいました。
引っ越しをして単身赴任やきびしい労働条件から解放されることになった、その矢先のできごとでした。
何とも悲しく、やり場のない憤りを感じてなりません。

コメント (2)
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