木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

長勝塾「鋸研ぎに挑む」

2009-12-13 23:14:12 | 道具
「町家発ほんまもん」主催の12月企画 長勝塾「鋸研ぎに挑む」に参加しました。
会場は大津市の滋賀県建築組合大津支部の事務所。 
静岡県伊東市から長勝さんの出張講義です。


午前中は、まず長勝さんの鋸刃の構造や研ぎについての講義。
ここでまず、目から鱗!下刃の角度、なげしの角度など、全く理に叶っており大いに納得しました。


その後、従来の研ぎ(目立て)と長勝さんの研ぎの2つの鋸で試し切り。

私も挽かせていただきました。その結果・・・

これが、有名な鋸も研いでおられる目立て屋さんの研がれた鋸で挽いた木口。
切れ味は下がりの良い、良く切れる鋸といった感じ。

そしてこれが長勝さんの研いだ鋸で挽いた木口。ささくれが全くなく、鉋か鑿で一削りしたような切り口なのです。
切れ味は、抵抗がなく、滑っているような感触。ですが下がりは抜群なのです。
そして鋸道も全く広がりません。またまた目から鱗がぽろぽろ・・・。
この衝撃は実に大きかったです。


その後、お二人の大工さんの基本的な鋸の使い方と、ちょっとした技で調整する切り口の妙技を見せてもらいました。
これまた大変勉強になりました。

昼の休憩をはさんで、午後はいよいよ「鋸研ぎの実習」
長勝さんも言っておられたように「短時間の勉強で上手になることなどあり得ない」とは重々承知の上で挑んでみました。


はじめに長勝さんが一人一人に見本の研ぎを数カ所残してくださり、それをお手本に研ぎ始めましたが・・・。
鑢は思うように動かず、研いではいけないところばかり研いでしまい、そのうち元の歯の形状さえ壊してしまい・・・惨憺たる有様。
結局、中勝さんに刃先を揃え、最度すり込みの見本を作っていただき1から研ぎ直し。
予定の時間もあっという間に過ぎてしまい・・・。鋸研ぎの難しさをいやと言うほど知りました。(写真を撮るのもわすれてしまいました。)
しかし、今回参加させてもらって本当に良い勉強ができました。
教えていただいた長勝さん、お世話くださった町家発ほんまもんのスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
コメント
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