☆マシニスト(2003年 スペイン、アメリカ 102分)
原題 The Machinist
監督 ブラッド・アンダーソン
出演 クリスチャン・ベイル、ジェニファー・ジェイソン・リー、アイタナ・サンチェス=ギヨン
☆自意識の幽体離脱
それにしてもハリウッドという世界は、ときとして凄い役者を産み出す。
クリスチャン・ベイルはこの睡眠障害者の役を演じるにあたり、毎日りんご一個とツナ缶一個だけで過ごして30キロ減量し、撮影が終わるや『バットマン・ビギンズ』のオーディションを受けるために32キロ太り、さらに『アメリカン・ハッスル』に出演するために激太りしたんだとか。すごいわ。ぼくにはできないわ。
自己と他者の肯定の方法はさまざまあるけど、洋画はこの手の自分探しがよくあるね。ただ、お気に入りのウェイトレスの息子をひき逃げしてしまったという良心の呵責による余りのストレスと後悔と不安によって記憶が曖昧になるとき、つまり、罪の意識による自分が別人格として登場してきて自分を徹底的に追い込んでいくという自己否定の幻覚がいつから始まったのかが明確でないのと、警察の動きがほとんど見られないのが残念といえば残念ではあるものの、ものすごく必要かといえばそうでもないし、かえって視点が定まってていいともいえる。
なんにしても、おもしろかったな~。