◇昭和残侠伝(1965年 日本)
降旗康男という監督は、
ほんと、高倉健とは終生を共にした観がある。
この作品では助監督をつとめてたらしいんだけど、
後の作品のような情緒とはちょっとちがう。
ちなみに、
このときの健さんも、
花田秀次郎っていう役名じゃなくて、
寺島清次っていう役どころだ。
まあ、そういうことからいえば、
まだ混沌とした感じだったんだろうね。
東映もまさかすごい長寿シリーズになるとはおもってなかったろうし、
健さん自身、初期の代表作になるともおもってなかったんだろう。
ただ、
ぼくはどういうわけか、侠客物やヤクザ物が好きじゃないんで、
友達が「唐獅子牡丹」とか歌ってても、あんまり興味はなかった。
まあ、ある意味では東映の進路を決めたシリーズのひとつなんだろうけど、
昭和21年っていう設定からすると、
どうしても『仁義なき戦い』が頭に浮かんでくる。
時代ごとに流行りすたりはあるものの、
侠客という世界観を世に知らしめた一本であることはまちがいないんだろね。