◇ホタル(2001年 日本)
東映という映画会社は、
戦後まもない頃の『聞け、わだつみの声』以来、
終始一貫して反戦を訴えてきた会社だとおもってる。
たとえば『大日本帝国』なんかその骨頂だといえるはずなんだけど、
どうしても暴力的な映画や官能的な映画を撮ってきたこともあって、
戦争というものに肯定的な立場をとってるように見られることがある。
でも、そうじゃないんだよね。
だから、東映の創立50周年企画としてこの作品ができて、
あきらかな反戦仕立てになってるのかもしれない。
まあ、それはそれでいいとしても、
なんでわざわざ朝鮮半島を舞台にしなくちゃいけなかったんだろう?
まあ、それでないと、
戦争の総括にはならないのかもしれないんだけど、
観る側にすれば、
特攻隊の生き残りの話とはいえ、
昭和天皇が崩御された年の、
感慨と慙愧と新たな人生を語ることに搾った方が、
焦点がぼやけなかったんじゃないのかな~とおもっちゃうんだよね。
たしかに、
ああいう時代に、こういう立場に立たされた朝鮮半島の青年将校はいたはずで、
ぼくみたいな戦争を知らない人間があれこれいうわけにもいかないけど、
物語の比重として考えると、
なんだか二分されてる気がしてならないんだよなあ。
そんなことないのかしら?