◇修道士は沈黙する(Le confessioni)
なんだかわざわざ難しくしてるような気がする。
つかなるほど、G8(Group of Eight)か。もうロシアが入ることはないんだろうなあっていう話はともかく、このG8が行われたドイツのハイリゲンダムがそのまま舞台になってるんだけど、なんていうか、要するに先進国の財務相が好き勝手な悪だくみをして貧乏な国への援助はやめちゃおうぜみたいなことを話し、さらに女がいればやっちゃおうぜみたいな野郎が財務大臣だったりして、そのあたりはともかく茶化した喜劇なんだけど、このG8の内容もよくわからないし、ビニール袋をかぶって自殺した国際通貨基金の専務理事ダニエル・オートゥイユがわざわざ特別聴取人に修道士を選んで告解する意味がどこにあったんだろう?
ていうか、告解を受けた修道士トニ・セルビッロはなんであんなに喋っちゃうんだろう?
監督のロベルト・アンド―はいったいなにがいいたかったんだろう?
わかるようでよくわからないところで、修道士が沈黙するというのはあくまでも第三者に徹して、自分の意見はなにもいわず、最後の最後まで見守るだけの部外者であるべきはずが、最後には演説までかますってのはどうよ?って感じだ。そもそも修道士である意味もなく、別に坊さんでもよかったわけで、それをいえば秘密を保持しなければならない偉い人たちの合宿でもいいわけで、要するに権力をもった連中も実は金とセックスには目がなくて、ちょっとだけ良心を持ってる人間は絵本作家だったり歌手だったり宗教者だったりするんだよねっていう、もう、ちょっと古い典型的な設定の物語だったかな。
ただ、撮影は好かった。