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母との約束 250通の手紙

2023年01月25日 23時56分49秒 | 洋画2022年

 ◇母との約束、250通の手紙(La Promesse de l'aube)

 

 どはずれたエキセントリック母ちゃんの物語だったわ。どんどん興味が薄れてくのが途中からわかったけど、いやまあ、なんとも驚きなのは、なるほど、このお母ちゃん、シャルロット・ゲンズブールだね。そう、いつまでも『なまいきシャルロット』じゃないわな~。

 喜劇なのか、悲劇なのか、作家ロマン・ガリの自叙伝が元だからなんともいえないんだけど、どうにも中途半端な感じは拭えないんだけど、どうなんだろう?

 ただまあ、世の中の作家なんてもんはみんなこんなもんなんだろうがっていう印象は強いね。ひとつ当たれば故郷に錦を飾ったつもりになるし、自分のちからが無いために新聞に掲載してもらえないとはとても家族にはいえず、編集者がまちがってるだの、筆名を変えているんだの、とにかく自己愛と矜持がものすごい。ロマン・ガリはそれで成功したからいいけどさ。

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鉄くず拾いの物語

2023年01月25日 02時09分14秒 | 洋画2013年

 ◎鉄くず拾いの物語(Epizoda u životu berača željeza)

 

 いやあ、ロマの人達の暮らしは悲惨だなあとか、蚊帳の外からの発言とかしてるから、この実話映画に本人役で出演したナジフ・ムジチは村八分になってボスニア・ヘルツェゴヴィナなんか嫌いだとまで発言するようになり、出られなくなったベルリン映画祭が開幕して三日後に死んじゃうとかって、まじ、大変じゃんね。ダニス・タノヴィッチはそこまで予測して映画は撮らなかったにせよ、いやあ、これは辛いな。

 にしても、主役ふたりもさることながら、娘ふたりもドキュメンタリーを観てるみたいで、まあ、そういう撮り方なんだけど、自然体でものすごくいい。撮影も同時録音もいいし、原子力発電所がなんか象徴的に映されててこれもまたいい。まあ、そこらじゅうの映画祭でもてはやされるのはわかるよ。

 しかし、保険証を持っていないために手術が受けられなかったから妹の保険証を持って妹のふりをして掻爬手術を受けるとかってありな国なのか。えらいところだな。神はどうして貧しいものを苦しめるんだって、ナジフの面倒見のいい弟はいうんだけど、ほんとだよね。

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