フィールド調査と多忙な仕事が重なったため、このブログも間が空いてしまった。前回は、仲間同士によるセカンドライフ(SL)シムを運営した際のシミュレーションについて執筆した。今回は、企業がシム運営を行う場合に関する、私の気付きを記した。
例えば企業が、広告媒体の1つとしてシムを運営するのは、コミュニティのそれと比較すると容易である。それは、予算規模が大きく異なるからだ。例えば3分のTVCMを1週間放映すると、朝時間帯120万円/分×3分×7日=2,520万円となり、SLのイニシャルコスト的規模を上回る。言い換えればSLは、それに比べれば低減な金額で扱えるので、シム運営の収支自体を算出する意味は少ないだろう。一般的な広告的視点でみれば、視聴している人間の数が大きなファクター故、SLでもトラフィック数が問われてくる。
3DCGの可能性は、広告だけではない。それ以外にも、多用なビジネスモデルを考えてゆくことは可能である。例えば全国展開するチェーン店やホテルなどの接遇研修は、SLを使えば、わざわざ出張旅費を支払って社員を集めなくても、日々の営業に即応しつつ、研修や助言が速やかにできるだろう。
また情報系企業では、3DCGの製品モデルを制作し、 製品の解説や社員研修等で使用するといったビジネス・モデルが提案されていた[注]。製品をあらゆる角度から説明できるので、2D資料では説明できない内容を、容易に伝えることができる。
製造業や建設業では、製品や建築の紹介やプレゼンテーションをSL上で行うことができる。現在建築設計事務所では、模型や3DCGを多用している。 模型では建物の中にはいることすらできない。そこで予め相当数の時間を費やして、建築空間の見せ方を編集し、アニメーション・レンダリングで制作しているのが現状である。SLでは、クライアント・アバターが直接建物の中に迄はいって自由に見て回れるので、レンダリング制作の必要はなく、建築自体を体感することができる。時間とコストが大幅に節約できるだろう。
またハウジングやマンションのモデルルームを造るコストにくらべれば、SLでモデル化したほうがはるかに経済的であり、販売住戸すべてを3DCG化できる。購入予定者と一緒に打ち合わせしながら、間取り変更、オプションの追加、インテリアの打合せが可能となる。住宅建具や設備をSL上でライブラリー化しておけば、そうした打合せは実に容易である。さらに販売後には、また別のマンションのモデル・ルームとして使うことができる。
SLを用いた不動産賃貸ビジネスなど、早晩発生するだろう。パリにアバルトマンを借りたいとする出張予定の日本人商社マンが、わざわざ現地へ足を運ばなくても、日本で居ながらにして、賃貸物件の疑似体験と確認は可能となり、その場で契約だってできよう。SL上では、世界中の不動産を世界中の人間が、疑似体感できるのである。
このように思いつくままに、SLのビジネスモデル・コンセプトを書き連ねたが、今後企業の必要に応じた企画は、いくらでも考え、そして実現することができよう。要は、企業の必要に応じてSL上の3DCGをどう使うかである。社会全体で見ると3Dという3次元思考型ビジネスに、慣れていな部分が多いように見受けられる。私のように、建築空間を通じて3次元空間と関わってきた人間にとっては、2Dと3Dの違いを如実に感じているだけに、社会よ早く!!3Dに飛び込んで来たまえと、叫びたい。
現在の2DWEBが、3DCGにとって変わる日も、比較的早い時期に来るだろう。そんな3Dリノベーション自体が、大きなビジネスになるのだろう。
注)日本経済新聞,2007.
例えば企業が、広告媒体の1つとしてシムを運営するのは、コミュニティのそれと比較すると容易である。それは、予算規模が大きく異なるからだ。例えば3分のTVCMを1週間放映すると、朝時間帯120万円/分×3分×7日=2,520万円となり、SLのイニシャルコスト的規模を上回る。言い換えればSLは、それに比べれば低減な金額で扱えるので、シム運営の収支自体を算出する意味は少ないだろう。一般的な広告的視点でみれば、視聴している人間の数が大きなファクター故、SLでもトラフィック数が問われてくる。
3DCGの可能性は、広告だけではない。それ以外にも、多用なビジネスモデルを考えてゆくことは可能である。例えば全国展開するチェーン店やホテルなどの接遇研修は、SLを使えば、わざわざ出張旅費を支払って社員を集めなくても、日々の営業に即応しつつ、研修や助言が速やかにできるだろう。
また情報系企業では、3DCGの製品モデルを制作し、 製品の解説や社員研修等で使用するといったビジネス・モデルが提案されていた[注]。製品をあらゆる角度から説明できるので、2D資料では説明できない内容を、容易に伝えることができる。
製造業や建設業では、製品や建築の紹介やプレゼンテーションをSL上で行うことができる。現在建築設計事務所では、模型や3DCGを多用している。 模型では建物の中にはいることすらできない。そこで予め相当数の時間を費やして、建築空間の見せ方を編集し、アニメーション・レンダリングで制作しているのが現状である。SLでは、クライアント・アバターが直接建物の中に迄はいって自由に見て回れるので、レンダリング制作の必要はなく、建築自体を体感することができる。時間とコストが大幅に節約できるだろう。
またハウジングやマンションのモデルルームを造るコストにくらべれば、SLでモデル化したほうがはるかに経済的であり、販売住戸すべてを3DCG化できる。購入予定者と一緒に打ち合わせしながら、間取り変更、オプションの追加、インテリアの打合せが可能となる。住宅建具や設備をSL上でライブラリー化しておけば、そうした打合せは実に容易である。さらに販売後には、また別のマンションのモデル・ルームとして使うことができる。
SLを用いた不動産賃貸ビジネスなど、早晩発生するだろう。パリにアバルトマンを借りたいとする出張予定の日本人商社マンが、わざわざ現地へ足を運ばなくても、日本で居ながらにして、賃貸物件の疑似体験と確認は可能となり、その場で契約だってできよう。SL上では、世界中の不動産を世界中の人間が、疑似体感できるのである。
このように思いつくままに、SLのビジネスモデル・コンセプトを書き連ねたが、今後企業の必要に応じた企画は、いくらでも考え、そして実現することができよう。要は、企業の必要に応じてSL上の3DCGをどう使うかである。社会全体で見ると3Dという3次元思考型ビジネスに、慣れていな部分が多いように見受けられる。私のように、建築空間を通じて3次元空間と関わってきた人間にとっては、2Dと3Dの違いを如実に感じているだけに、社会よ早く!!3Dに飛び込んで来たまえと、叫びたい。
現在の2DWEBが、3DCGにとって変わる日も、比較的早い時期に来るだろう。そんな3Dリノベーション自体が、大きなビジネスになるのだろう。
注)日本経済新聞,2007.