Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

Village Design10.中国雲南省・武定郊外

2007年10月25日 | field work
 ベトナムと国境を接する中国雲南省の首都が、横浜市と同規模の人口300万人が暮らす昆明市である。この地域には、約50の少数民族がそれぞれ独自の生活様式をもって暮らしている。本来は、小さな多民族国家の集まりといってよいだろう。
 我々は、昆明市から北西へ高速道路を1時間程走り、武定という小規模な町の文化財研究所で郊外集落の存在を尋ね、さらに悪路の山道を2時間ほど走り、少数民族の集落にたどり着いた。調度、市が立っている日だった。着飾ったイ族やミャオ族といった少数民族と露店で小さな集落は、相当な賑わいを見せていた。人と人とが出会い、語らい、商い、交換し、飲み、食べ、くつろぎ、馬車が駆け抜ける、臭いや喧噪や雑踏といった言葉を掛け合わせたような田舎の大宴会と言ってよい。お祭りのときのような賑やかな空気がビンビンと肌に伝わってくる。 この地域の暮らしを支えている生活市場だ! 市が集落の中心であり、暮らしの必需品であり、娯楽の場である。
 私達のように明らかな異邦人と見える格好をしていても、市の雑踏に飲み込まれてしまい、なじんでしまう。元々ここは異邦人ばかりなんだ。なんでもかんでも飲み込んでしまうところに市が成立している。この市に存在しないのは排他性だけである。 
 そこが日本人や日本の市場と大いに違うところだな! 私は、大陸の中に来ているということを実感した。
 
1999年8月撮影.
OLYMPUS,XA-4,F3.5/28mm,コダクロームⅡ.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする