日帰りでチベット自治州の中甸へ行くことにした。距離にして麗江から400km近く山岳一般道を行かなければならない。標高も3,000m近くまで登るだろう。幸い、私達が街で拾ったタクシードライバーは中旬日帰りの経験がある。彼は早朝出発し、街道沿いで朝食と昼食とって時間を節約すれば、いけると言っていた。従って私達は早朝暗い頃に宿を出て、彼の言うとおり街道沿いの数坪程の小屋で朝食をとった。まだ4時間以上、走らなければならない。長江の支流に沿って、5人の大人を乗せ、使い込まれたワーゲンサンタナは、高速道路並の速度で、狭くて空気の薄い山岳道路をグングン上ってゆく。高低差3000mある大渓谷、虎跳峡の入り口をかすめ、目まぐるしく風景が流れてゆく。車とすれすれに人が過ぎ去る。驚いた表情が見える。 何回か車の後ろから罵声を聞いた。対向車とすれ違うとき、私の窓からは、はるか下に支流が見える。路肩などというものはない。当然速度制限を越えているが、法律なんか守っていては、日帰りが、できないのだ。概して中国人の運転は荒っぽいが、車の扱いは日本人より、はるかに長けている。騎馬民族の末裔故だろうか。彼のたくましいタフでエネルギッシュな技が、中甸への日帰りを可能にしてれた。
1999年9月撮影
Canon EOS3.F3.5-5.6/EF28-135mm.コダクロームⅡ.
CanoScan9950F
1999年9月撮影
Canon EOS3.F3.5-5.6/EF28-135mm.コダクロームⅡ.
CanoScan9950F