洱源(当て字を使用)周辺の集落を探した。表通りから坂道になった路地を上がる。曲がりくねった路地沿いには、土壁の民居が数多く存在していた。山間部の僅かな土地を耕作し、生業としていることが、民居の設えから伺える。多くの民居は、石材を土台とし、日干し煉瓦による壁構造で、屋根は多雨の故か瓦葺き、といった具合に、この地方の何処でもみられる建築様式である。特に小屋の部分を二階建てとしているのは、野菜類や藁の防湿や乾燥を考慮しているのだろう。
洱源周辺の集落は、緩傾斜地に緩やかに曲がり上ってゆく路地主体の空間で形成されている。路地を歩いてゆくと、緩やかに視界が変化してゆく。路地の交差は、十字路ではなく主に三叉路であるから、正面には民居がアイストップとなってくる。 実際に歩くと心地よい落ち着きが感じられる。
路地沿いに民居の土壁が林立する様子は、見事である。大地からそのまま生えてきたようなデザインは、周囲の環境ともよく調和しており、無駄のない群建築のランドスケープは大変美しい。建物が比較的不整形に配置されているために、路地の幅がふくらんだり狭まったりする。おそらく地形や生業や隣接する民居との関係で不整系な配置になっているのであろう。不整系ではあるが、このほうが生活の上では、合理的な意味を有していることは、日本の集落を歩いてきた経験から理解できる。この集落のように生活の必然性によって、環境を了解しながら設えられてきた配置は、形態的真似をしようとおもっても、容易にできるものではない。
中国に限らず世界に現存する多くの集落には、私達が環境デザインにおいて研究や制作をしてゆく上で、学ぶべき点が多々ある。第一義的には、風土性だろう。地域の環境と暮らしとが、長い年月の中で、最適な関係性を築きあげてきたこと。それが群建築の美しさや合理性につながっているのである。こうした考え方や手法を、世界の集落ライブラリーから学び、現代デザインとして展開してきた実例をあげるとすれば、トラディッショナリズム、新伝統主義といった新しい住宅開発の環境デザインである。別の言い方をすればニューアーバニズムと呼んでいる。
1999年9月撮影
Canon EOS3.F3.5-5.6/EF28-135mm.コダクロームⅡ.
Nikon Coolscan3.
CanoScan9950F
洱源周辺の集落は、緩傾斜地に緩やかに曲がり上ってゆく路地主体の空間で形成されている。路地を歩いてゆくと、緩やかに視界が変化してゆく。路地の交差は、十字路ではなく主に三叉路であるから、正面には民居がアイストップとなってくる。 実際に歩くと心地よい落ち着きが感じられる。
路地沿いに民居の土壁が林立する様子は、見事である。大地からそのまま生えてきたようなデザインは、周囲の環境ともよく調和しており、無駄のない群建築のランドスケープは大変美しい。建物が比較的不整形に配置されているために、路地の幅がふくらんだり狭まったりする。おそらく地形や生業や隣接する民居との関係で不整系な配置になっているのであろう。不整系ではあるが、このほうが生活の上では、合理的な意味を有していることは、日本の集落を歩いてきた経験から理解できる。この集落のように生活の必然性によって、環境を了解しながら設えられてきた配置は、形態的真似をしようとおもっても、容易にできるものではない。
中国に限らず世界に現存する多くの集落には、私達が環境デザインにおいて研究や制作をしてゆく上で、学ぶべき点が多々ある。第一義的には、風土性だろう。地域の環境と暮らしとが、長い年月の中で、最適な関係性を築きあげてきたこと。それが群建築の美しさや合理性につながっているのである。こうした考え方や手法を、世界の集落ライブラリーから学び、現代デザインとして展開してきた実例をあげるとすれば、トラディッショナリズム、新伝統主義といった新しい住宅開発の環境デザインである。別の言い方をすればニューアーバニズムと呼んでいる。
1999年9月撮影
Canon EOS3.F3.5-5.6/EF28-135mm.コダクロームⅡ.
Nikon Coolscan3.
CanoScan9950F