私の経験では、実はカメラバックというものが、撮影に全く向かない鞄であるとことを痛感している。理由は撮影機材のことしか考えられていないからである。第一いつでも代替えできる撮影機材が重要だとする、カメラバック制作者の基本的考え方が間違っている。撮影機材は取材の手段であって目的ではない。撮影機材はいつでも代替えでき、邪魔なときは捨ててしまえばよい。場合によっては売却し旅費の足しにしてしまうことだってある。大切なのは取材で得た情報なのである。それは代替えできないものが多い。
上の写真は、私がよく使っていた鞄である。 量販店で2,900円程度で売り場に山積みされている中国製品である。 大きさが調度よい上、収納スペースが階層的に考えられており頭脳的である。
鞄の中を取りだしてみると、 黄色いA5サイズのスケッチブックは、デザイン・クリエイションや実測のための野帳として、PM紙を用いて特別制作したもので、この用紙になじみがよいラインペンを添えてある。調査のためのコンタクト先や、スケジュール、名刺、切手などをいれた赤い手帳、建築では必携の2mの巻尺のついたキーホルダー、そして携帯電話とクレジットカードなどである。このほかパスポートや小型三脚を加えることがある。 さらに撮影のためにアポをとったりした際の書類、相手に渡す資料や、時にはお土産等が、外側にカラビナを介して取り付けるときもある。 そして情報収集ツールとしてのデジタル一眼レフ。発売当時最軽量だったボディに標準ズームレンズと、暗いところでも撮影できるF1.8単焦点レンズの2本は必須。さらに発色や鮮明度などが良いリバーサルフィルムで、優れた撮影能力を持つ高性能コンパクトフイルムカメラ。これで一応の取材を行い、デザインを考えることができる。実際新幹線や機内、といった具合に、あらゆる場所が私の書斎でありアトリエでもある。
さらに撮影に没頭している間にすられないような目立たない位置にある財布の内ポケット、同様に目立たないが、すぐに取り出せる航空券等チケット類のポケット、すぐに取り出せる連絡先やスケジュールを書いた手帳、 カメラのように雨を防ぎ取り出しやすいもの、常時外部にさらしても影響がないもの、 といった具合に、ときには取り出しやすく、また不用意な相手に対しては取り出しにくく、TPOに応じたヒエラルキーある頭脳的バッキングができる。 外ポケットにはA4ファィルが縦に入る点も優れている。全く高級に見えない点でも、相手の目にとまらず好ましい。
この鞄の欠点は、安価である分外装が薄く、また大変破損しやすいことである。衝撃には、ウレタンフォームを底敷きにして解決できるが、縫製が悪く破損しやすい点は解決のしようがない。私の場合3ヶ月ともたないこともあった。鞄自体が安いのでこれも使い捨てといってよいだろう。
実際こうした安価で頭脳的な収納方法を持った鞄は、大変少ない。大半のカメラバックは、なにも考えていないか、考えすぎかのどちらかである。カメラバックが撮影には不向きだということが、おわかりいただけただろうか。
画像撮影データ
Nikon COOLPIX990,SB24
上の写真は、私がよく使っていた鞄である。 量販店で2,900円程度で売り場に山積みされている中国製品である。 大きさが調度よい上、収納スペースが階層的に考えられており頭脳的である。
鞄の中を取りだしてみると、 黄色いA5サイズのスケッチブックは、デザイン・クリエイションや実測のための野帳として、PM紙を用いて特別制作したもので、この用紙になじみがよいラインペンを添えてある。調査のためのコンタクト先や、スケジュール、名刺、切手などをいれた赤い手帳、建築では必携の2mの巻尺のついたキーホルダー、そして携帯電話とクレジットカードなどである。このほかパスポートや小型三脚を加えることがある。 さらに撮影のためにアポをとったりした際の書類、相手に渡す資料や、時にはお土産等が、外側にカラビナを介して取り付けるときもある。 そして情報収集ツールとしてのデジタル一眼レフ。発売当時最軽量だったボディに標準ズームレンズと、暗いところでも撮影できるF1.8単焦点レンズの2本は必須。さらに発色や鮮明度などが良いリバーサルフィルムで、優れた撮影能力を持つ高性能コンパクトフイルムカメラ。これで一応の取材を行い、デザインを考えることができる。実際新幹線や機内、といった具合に、あらゆる場所が私の書斎でありアトリエでもある。
さらに撮影に没頭している間にすられないような目立たない位置にある財布の内ポケット、同様に目立たないが、すぐに取り出せる航空券等チケット類のポケット、すぐに取り出せる連絡先やスケジュールを書いた手帳、 カメラのように雨を防ぎ取り出しやすいもの、常時外部にさらしても影響がないもの、 といった具合に、ときには取り出しやすく、また不用意な相手に対しては取り出しにくく、TPOに応じたヒエラルキーある頭脳的バッキングができる。 外ポケットにはA4ファィルが縦に入る点も優れている。全く高級に見えない点でも、相手の目にとまらず好ましい。
この鞄の欠点は、安価である分外装が薄く、また大変破損しやすいことである。衝撃には、ウレタンフォームを底敷きにして解決できるが、縫製が悪く破損しやすい点は解決のしようがない。私の場合3ヶ月ともたないこともあった。鞄自体が安いのでこれも使い捨てといってよいだろう。
実際こうした安価で頭脳的な収納方法を持った鞄は、大変少ない。大半のカメラバックは、なにも考えていないか、考えすぎかのどちらかである。カメラバックが撮影には不向きだということが、おわかりいただけただろうか。
画像撮影データ
Nikon COOLPIX990,SB24