翠が、札幌でマサヒロ君達と食事会をするから一緒にゆこうという話になった。
翠「だって、あなたはマサヒロと会ってるもんねぇー、他人じゃないよねぇー、それに芸術系だし・・・」
そういやマサヒロ君が、翠がオナニーしていたのを垣間見てママは寂しいんですよ、という大人びた話を思い出していた。
さあっ。ゆくよ!、というので夕方翠について札幌へ。
ステーションホテルで食事会ですか、個室にゆくとマサヒロ君の彼女の茉莉さんもいた。目鼻立ちの整った可愛い女子高生だ。お腹が大きいからもう時期出産なのだろう。もう高校も卒業式が近いね。
茉莉「はい来月卒業式です!」
これぐらいになると、もう無条件で可愛い。
茉莉「あのう、なんとおよびすればいいんですか?、マサヒロの義理のお父さんでしょう」
えっ、!アチキ!!
翠「オジサンでいいよう、義理のお父さんなんて言わないでよ、年取ったみたいじゃない」
マサヒロ「母性愛のないママですから(笑)」
翠「母性愛ねぇー、子育てしていないからそうだねぇー(笑)」
茉里「どうやってマサヒロさんが実力があるのか、不思議です(笑)」
彼の実力、だって小学校1年からずーーっと学校の美術室を遊び場にして育ったもん。6.3.3.で12年のキャリアということになる。それは、4年の美大卒とは実力が格段に違うよ。小さいときに芸術って面白いんだって気がついたのは彼の感性だね。子供の時って、そんはピュアな感性が、鋭いとおもう。
茉莉「ピュアな感性って?」
子供って、親の気分に敏感なのよ。例えばサッカー少年がいて、これをやっときゃ親が喜ぶしな、と考えてサッカーをしていたとする。それを親は才能があると勘違いして、子供をサッカークラブにいれてしまう、そうなるとピュアではないよね。つまりマサヒロ君は家業を継いだんだよ。おじいさんの画家という家業を。家業を継いだ人って多いよ。宮廷画家だった父をもつルネッサンスのラファエロとか、デザインだったら看板屋だった家育ちのデザイナーの堀内誠一ね。
翆「わたしそれ、昔の古いananでみたぁー・・(笑)」
マサヒロ「今度東京の春の公募展に入選したんです」
まあ形式的におめでとうといっておこうか。
茉莉「これまでで、史上最年少ですって」
ふぅーーん、それで茉莉さんと住むアパートは見つかった?
マサヒロ「おじいちゃんが、部屋があまっているんだからうちに済めばいいじゃん、だって」
親子三代でおじいチォンの世話になるわけか・・・・
翠「どうせおじいちゃん達、気の若い画家のつもりだし、子育ての経験者だし、いいじゃんそれで・・・、マサヒロや茉莉さんはどうなの?」
マサヒロ「まあ、その方が経済的にラクだし・・・・、それもいいかって話してたところです」
翠「そうしなよ、おじいちゃんたち、孫!?、いやヒマゴだと行って喜んでいるな」
世代交代の早い家系なんだね。
茉莉「うっ、ーー」
翠「あら、茉莉さん、つわりね、産むまでは私が経験者だから任せて、」
それに元ナースだしな・・・手慣れたもんだね。
べたっとしていない、しかし一人一人がクールにつながっている。そこがこれまでの家族とはちがっている。
・・・・・・
駅に向かう道すがら・・・、
若い男って妙な気質があるんだよね。女欲しいけど女いない、大きな仕事したいけど実力ない、大人びた口を聞くけど不勉強で底が浅い、そんなジレンマを抱えつつ、20代を通過してゆく。マサヒロくんは、そんな男固有のジメジメったらしいところがまったくない。それに早熟教育だから、二十歳ですでに実力者だ。それに彼女が素晴らしい。
翠「早く彼女見つけた方が勝ち!」
若い素直な感性のほうが、いい彼女が見つかるんだろう。それがハタチすぎてからみつけると、妙に大人ぶって、理屈こねて、そこから、すべてがおかしくなる・・・
晴れた惚れたに年齢は関係無いけどさ、それが二十歳すぎてカップルです、なんてすましている方が恥ずかしいよ。まして三十路の結婚式ですといったら、いつまで子供をやってんだって思っちゃあ。今は、そんなのばかりだよ!。
翠「早く帰ろう!、唇が疼いてきた・・・」
疼いてきたかぁー、こちらも股間がうずいてきた、飲みすぎたのでトイレ!!
翠「バカァーー」
コートの下から翠のお尻を撫でながら、小樽行きの電車に乗った。そうか、アチキは、翠の体のボリューム感が心地よいのだ。それは、瞳の色が好きとか、匂いに感じる、といったカップルと同じような感性なのだろう。それが翠とアチキをつないでいるようだ。