Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LOFE1613. 小説:小樽の翆34. すれ違い

2020年02月24日 | Sensual novel

 

 雪がある、それだけで小樽の街の風景が普段とは違ってみえる。そこが私は好きなんだ。夕方、翆のカフェで珈琲。雪だから人も少ないし、ここは少し翆のお店の売り上げに貢献しないとね。

翆「すれ違う男と女っているじゃない?」

いつもすれ違っているかも・・・

翆「つまり、カップルになったけど、実らなかった、という話ね、そういう人って多いんだよ」

晃子さんのお話?。

翆「そうなの、真里ちゃんという看護師の女の子がいてね、見かけも性格も普通にいい子なんだけど・・・、でっ、いつも顔を合わせている薬局の業者に彼氏がいたわけ。彼氏とは3年間も顔を合わせていたんだって。」

ホー・・・

翆「3年目にして、ようやく二人だけになれて、キスして・・・。ああっ、今夜は念願のセックスでもするかなって、晃子さんはみていたの。でっ、翌日、晃子さんが、真理ちゃんに、『どうだった彼氏は?』、と尋ねたら、別れた!、というの。あんなにいい線いってたのに、『なんでぇー、そうなるの』と晃子さんも不思議な顔してたわけ」

 そんな経験は、アチキにもある!。X、K、W、M・・・・、アチキは好きだったけど、カップルにもならなかった。

翆「どうして、みのらなかったの?」

うーーん、共通しているのは、Xは看護師見習、Kはお父さんの面倒があるといってた、Wはデッサンのモデルまでしてくれたけど資格の勉強があった、Mに至ってはキスまでしたけど親の面倒みながら新しい仕事を始めていた、だからどれも実らなかった。

翆「アチキは冷たいんだよ!、女って2つの大きな目標があると同時には実現できないんだよね、多分それって、心変わりさせてくれるぐらいに、口説いて欲しかったんじゃないの?。目標を変えるのには、それなりに大きな動機とか言い訳がいるんだよ」

そこが男と女の違いかな?。男なら、同時に仕事と恋愛があって、恋しているから仕事も意欲がわくといった具合に、2つのことを循環させてゆく、というのが根性だもん。

アチキは一気、一気系なんですぅー、じっくり系がダメなんです(笑)。

翆「だって、アチキと逢って、その日にセックスしたじゃん、ああっ、この人は遊び人だなって最初は思った、けれどつきあっているウチに、それは違っていることに気がついたからよかったけど、それって、女心がわかってない!(笑)」

初見では損するタイプですかね。すれ違った女達が別の男に抱かれて幸せであればいいさ、今のアチキには、翆がいるしさ・・・。

・・・

夜、翠の木賃アパートで・・・

翆と身体をぴったりと重ねていると、翠の心臓の鼓動が伝わってくる。こいつとは、すれ違わなくて、よかったぜーー。

コメント
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