立春も過ぎたのに小樽は雪だ。寒いから人気のない翆の喫茶店で寒さ忘れ。
翆「ふと思ったんだけど、私達のセックスの時の会話を誰かに聞かれていたらどうなるの?」
大丈夫、そもそも、そんな時に会話なんかしないでしょうよ、アヘアヘ!のうめき声ぐらいじゃないですか。外国人みたいに、燃えてる!、最高!!、登ってゆく!!!、天国みたい!!!!、なんて日本人はいわないのが多いのでは・・・。
翆「そっかぁー、会話がなかったね」
だから、日本人を扱った官能小説を書くのは難儀だと思うよ。真面目に描写したら、アヘアヘ!!しかないでしょうよ。全部アヘアヘ!!じゃ官能小説にならないよ。大体日本のポルノビデオだってアヘアヘ声位しかないでしょう。
翆「官能小説の面白いのってないかなぁー」
草凪優さんかなぁー!、あのお堅い新潮文庫からも「夜の私は昼の私をいつも裏切る」という名作がある。なにしろ日大芸術学部出身だから、感覚的に私とあう。あとは設定の面白さだったら、謎の人物、サタミシュウさんだろう。映画化された「私の奴隷になりなさい」ね。
翆「それは見た、恥を社会でさらしかけるきわどい面白さがあるよね、それって巧みな設定ね」
サタミシュウさんは、表に登場しない謎の人物。そうした巧みさを考えると、案外大学の先生だったりするかもしれないと私はイメージしているけど。だって毎日文章を書いているし、文学部の先生だったら、官能小説は書けちゃうよ。
翆「官能小説のポイントって何だろう?」
官能小説って落差だと思うよ。貞操観念とか、恥は人前に出すなといった暗黙のモラルとか、自分達の規律意識とか。そんな堅い考え方や意識が社会や自分達のなかにあれば、それを前提にして落差をつくりだせるでしょう。落差は英語でいえばdifference!。まあ、なんでそうなるの?、とか、そんな展開ってあり!、なんて驚かされる事ってあるじゃん・・・。
翆「例えば、妻は不倫しちゃいけないなぁー、と思いつつ不倫に走れば葛藤するかもしれないから落差が生まれるストーリーができるよねぇー、そこに読者ものぞき見るおもしろさが生まれる、私たちの落差ってなんだろう?」
・・・・そんなのないよ(笑)、あたりまえのことばかりだから。
翠「じゃ、官能小説のネタにもならないわけだ(笑)」
・・・
・・・夕方、市場で食材を調達して翠と一緒に帰る。
雪の住宅街を歩きながら、ご飯食べたら、アヘアヘ!、しようね。
翆「もう、感触動物なんだから・・・」
だって、こうして翆のケツなでていると、やりたくなるじゃん、自然の摂理さ・・・。
翆「お尻の割れ目に手を突っ込まないで・・、あっ!、肛門、ささないでーー、(笑)」