Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング233. 小説:小樽の翆164. 残っている夏

2020年09月05日 | Sensual novel

 

 日本人は、毎年移動手段を講じてお盆の夏を経験してゆくが、今年は感染症の自粛でままならなかった。やはりお盆の頃は大挙して全員集まるハレの時間だ。翆は、幸いにして実家が小樽市内だったし、晃子さんちへゆくサプライズもあった。そんな夏のハレ時間を堪能して、いつもの時間に戻った小樽の静かな秋の始まり。気温30°を越えることがない街だ。

 翆「おはよう!、さて朝ご飯でもつくるかねい」

シャワーを浴びた翆は、朝日を浴びながら、素肌にアチキのヤッケを羽織ってキッチンに立つ。

 翆は、昔、股間を覆うほど毛深かったといってた。だから今はすべて剃毛している。毛が不潔だという看護師の衛生認識かもしれない。頭を坊主にしてカミソリを入れるオトコのヘアスタイルを思い出すと、少しぶつけただけで傷がつき痛そうだが、女子の股間では痛くないのか。膣に雑菌が入りそうにも思うのだが。それはオトコの主観か・・・。

 そんなわけで、翆の鼠径部を愛でながら眼が覚めてゆく。

 そうこうしているうちに、湯気が立つ珈琲とモーニングプレートができてきた。フランスパンにハムと幾種類かのチーズだ。夏だから塩分を補給しなければ。

翆「今日は、準夜勤。夕方出勤だから、ゆっくりできるよ」

 アッ、そうか、昼間時間のあるときは、アチキが翆のクロッキーをするから、そのまま裸でいるのかもしれない。モデル慣れ、といってもよいのだろう。

 そんなことを考えながら、湯気の立つ珈琲の暑さを感じながら、まだ残っている夏を少しだけ味わおうとしている。

 

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