翆のスマホに連絡があったパパのクロッキー教室へのお誘いにのった。
少し芸術の秋を堪能して翆の家に戻った。
翆「あら、お疲れさん。夕飯食べようよ!、どうだったパパのクロッキー教室は?」
「スマホで、突然呼び出されたわけがわかった」
翆「何、それ?」
「つまり、パパのクロッキー教室って、いつもモデルさん1人でしょう」
翆「そうよ、それでモデルがつかまらないと、アタシがモデルにゆくもんね。なにしろ地方都市は、モデルさん探しって大変なのよ。ポーズの取り方は絵を描く立場がわからないといけないし、ポーズを決めたら動かないが原則だもん。だってさあ、以前ポースしていたモデルさんが、突然生理になって腿を血が流れ落ちたことがあったほど、それでも動かない。だから誰でもできる仕事じゃないしね」
「それが、行ってみたら何かの手違いで、モデルさんが2人も来ちゃったというわけ。それでこんな機会は、小樽では後にも先にもこれっきりだし、もう二度とない機会だから、アチキにも声をかけてきたというわけです」
翆「そんな超ラッキーな事があったんだ。確かに小樽じゃ後にも先にも、そんな珍事は聞いたことがないよね」
「いつも翆のクロッキーばかりだったから少し新鮮でした、それも二人ポースだもん。そんなのアリ・・だよ」
翆「慌てて駆けつけたかいがあったよねぃ。さすが芸術の秋!、いや芸術の秋の気まぐれかな。さて、夕飯にしようよ。お腹空いたでしょう。今日は味噌煮込みトンカツです!」
・・・
その小樽の夜は、半袖では少し寒いほど秋の気候になってきた。きっと紅葉も早いだろう。もう小樽は秋なんだろう。