今日は、公園の散歩にはゆかないんだ。ゆけば、小春が通り過ぎて色盲呼ばわりされるのもかなわない。
そこで、翆の書架にある解剖学の本を見ながら人体デッサンのメモを作成していた。少なくとも体表面の筋肉ぐらい理解しないと、人体を描いていることにならない。
さて解剖学の本でみると、あらっ、細かすぎる。内臓はいらないから、体表面の筋肉だけを拾い出すと、首から僧帽筋、広背筋で背中全体が覆われ、あとは大臀筋か、これは横側には別の筋肉がくるので、まさに後ろ側だけ、つまりお尻を形成して横にはついていないのが特徴か。次いで足か、大腿二頭筋と半腰様筋とで構成され、さらに他の筋肉が長手さ方向にスバイラルにつながる、膝から下は腓腹筋で構成され、これで女の後ろ側の大きな筋肉はわかった。さて待望の前面だ・・・。
そうしていたら、翆が帰ってきた。
翆「あら、真面目に勉強しているじゃん」
「体表面の筋肉の勉強ね。デッサンするときに必要な知識だからね」
翆「つまり解剖学かぁー」
「そういって翆の身体の正面をなぞり、大胸筋があって、乳房は筋肉じゃないからパスして、あとは腹直筋が股関節までいってお終いか。それで股間の細い割れ目の中にあるのは筋肉かなぁー」
翆「それは生殖器官!。あのねえ、調度さっきパパから電話があってさあ、「アチキはデッサン勉強していたよね!」というから、そうよ、と応えたら、調度今日の午後7時から我が家でクロッキー教室があるんだけど、きませんかだって。アチキに伝えてくれというので伝えたよ。さあさあ、私の裸ばかりじゃ飽きるでしょう。パパのクロッキー教室へいってらっしゃいな」
「ふーーん、珍しいね、じゃいってみようか、芸術の秋ぃー、ですからね」
そういって、クロッキー帳と鉛筆を抱えて、久しぶりにクロッキー教室へ急いだ。つまり翆の実家だ。
翆「あら筋肉の勉強をしていたペーパーを落としていった。まあ頭の中で理解しているんだろう。さて帰ってきたら夕飯かなぁー」