この撮影をしたのが正月明けの頃だ。夕方の気温は-3°。久しぶりに本格的な冬の寒さだ。
フイルム・トライ-Xの増感現像は、デジタルと比較しても大変綺麗な色だ。そうなるとはまるよね。
撮影する毎にニコンF3HP+MD4のシャキーンという感触にシビれているが、酷寒の中でかじかんだ手でフィルム交換するなんざぁー、職人技じゃないかと思うぐらい難儀だ。
先日は、零下の気温で撮影していた。でもこの程度じゃ寒さでフィルムがちぎれることは少なさそうだ。それでもフィルムのリード部を折り曲げてスプロケットに差し込んだらフィルム先端がちぎれた。やはりマイナス気温の京都だ。
焦点距離が倍々になる3本のツァイスレンズ・システムのなかで、やはりフィルム撮影にはディスタゴン25mmが一番使いやすく、そして格好がいことを実感。
それは少しレンズが長いからリュックに入れにくいが、写真弘社の現像が大変綺麗なので、漆黒の闇を撮るのにベストだ。物事は、光と陰、陰影礼賛の世界だ。トライ-X増感現像がつくりだす漆黒の闇にはまっている。
このISO1600という感度が撮影の場面では使いやすい。だからニコンF3HP+MD4に、ディスタゴン25mm、増感現像という、漆黒の闇システムができそうだ。冬の京都には、このシステムがよく似合う。
京都市 2021年1月
ニコンF3HP+MD4、Carl Zeiss Planar50nn/F1.4、Distagon25mm/F2.8、トライ-X(+2増感)
現像:写真弘社