Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング413. 小説:小樽の翆342. 冬を懐かしむ

2021年03月26日 | Sensual novel

 

 3月も後半に近づくと小樽市内の雪もほぼ無くなった。雪解けは、早い。

そんな風景を見ていると、ようやく冬も通り過ぎたかと安堵する今日この頃だ。市内のコロナも感染者数も低くなってきた。

アチキは去年から始めたエアロビクスとウェイトトレーニングで、贅肉は落ちて体重も減少したのだが、どうも皮下脂肪一枚分、つまりミートテックを脱がされたように寒いのだ。体調はすこぶる良いので、それは、それでよしとしようか。なによりもコロナ太りから抜け出したことは確かだ。

翆は、マメに毎日勤務だ。何しろ一時期は医療崩壊かといわれるぐらいに病院も感染者で蔓延していた。だから翆も休みがなかった。ようやくいつもの生活に戻りつつある。

朝、眼が覚めると翆はまだ横で寝ている。スウットの下から暖かいお腹をくすぐって乳房を撫でている。

翆「アチキー、お・は・よ・うーーー」

そういってアチキに抱きついて容赦ないキスの洗礼だ。まあ愛しても愛しても、愛しきれない、男と女の中だからね。 

「お腹空いたよー」

翆「昨日のお鍋のお汁で雑炊にしようか。お魚があるし・・・

ストーブに火をいれ、ダウンを着て調理している。

こう寒いとキッチンにいる翆の後ろから犯そうという考えもわかない。何よりも暖かい布団から抜け出すのが惜しい。窓の外の光が明るくなってきた。春も近いのだ。

今日の翆は、日勤だ。

・・・

さて、ホームワークに没頭していたので、雪原を描きにゆく頃には、昼もとうに過ぎていた。落日が、秋のそれよりは、あきらかに春の兆しの明るさを含んでいるように感じられる。

過ぎ去った冬を懐かしく思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする