海のスケッチをしながら、冬の海は、もういいぜ。やはり春の海だぜ、なんて考えていたら筆先が春の海に向かってゆく。
市内も陽が射しているところは雪が溶け始め、時折道路面が見えているところもある。かき分けられた雪は道の両側にうずたかく積み重なって、零下の日々が続いているので固く凍結している。僅かに残された雪の間の足跡をたどるが、朝はアイスバーン状態だから、すべること。よけようにも逃げ場がないというのが冬の道だ。
突堤にゆけば、滑り出したら海へドボンだから、それはやだな。だから堤防の後ろから、というか堤防を風よけにして、スケッチだ。
まあ、30分も描けばいいさ。
コロンビア珈琲にでかけてお茶だな。
店の前で明菜姉ちゃんと鉢合わせした。いつも画材屋のオジサンと雑談しているから、隣のコロンビア珈琲にゆくと、すぐにみつけられてしまう。
明菜「オジサン、よく続くねぇー、冬のスケッチ」
「冬って、景色が綺麗だと思わない?」
明菜「綺麗だけど、超寒いよ!。みるだけで十分よ」
「なんか絵を描いた」
明菜「学校で夏の絵を描いているの」
「アチキは、春の景色だったけど、夏の風景ですか・・」
明菜「夏を思い出しながら、描くのって面白いよ」
「そりゃ、幸せな描き方だ」
夏の初体験の思い出だろうか・・・、あの頃台風が来ていたな。台風とザクロかぁー。
そういってフルーツパフェを食べていった。
それぞれなりに、それぞれなりの冬をやり過ごそうとしているんだ。
・・・
今年は、小樽も雪が多かったから春が来るのも遅いだろうな。
春が待ち遠しい季節である。