Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

ドローイング404. 小説:小樽の翆333. それぞれの冬

2021年03月05日 | Sensual novel

 

 海のスケッチをしながら、冬の海は、もういいぜ。やはり春の海だぜ、なんて考えていたら筆先が春の海に向かってゆく。

市内も陽が射しているところは雪が溶け始め、時折道路面が見えているところもある。かき分けられた雪は道の両側にうずたかく積み重なって、零下の日々が続いているので固く凍結している。僅かに残された雪の間の足跡をたどるが、朝はアイスバーン状態だから、すべること。よけようにも逃げ場がないというのが冬の道だ。

突堤にゆけば、滑り出したら海へドボンだから、それはやだな。だから堤防の後ろから、というか堤防を風よけにして、スケッチだ。

まあ、30分も描けばいいさ。

コロンビア珈琲にでかけてお茶だな。

店の前で明菜姉ちゃんと鉢合わせした。いつも画材屋のオジサンと雑談しているから、隣のコロンビア珈琲にゆくと、すぐにみつけられてしまう。

明菜「オジサン、よく続くねぇー、冬のスケッチ」

「冬って、景色が綺麗だと思わない?」

明菜「綺麗だけど、超寒いよ!。みるだけで十分よ」

「なんか絵を描いた」

明菜「学校で夏の絵を描いているの」

「アチキは、春の景色だったけど、夏の風景ですか・・」

明菜「夏を思い出しながら、描くのって面白いよ」

「そりゃ、幸せな描き方だ」

夏の初体験の思い出だろうか・・・、あの頃台風が来ていたな。台風とザクロかぁー。

そういってフルーツパフェを食べていった。

それぞれなりに、それぞれなりの冬をやり過ごそうとしているんだ。

・・・

今年は、小樽も雪が多かったから春が来るのも遅いだろうな。

春が待ち遠しい季節である。

コメント
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