家を新たに建てるとき、ピクチャーウィンドーの作り方に私は関心が及ぶ。敷地に木を植えたはよいけど、どこから眺めるのかという事まで考える必要がある。下から眺める!?、それじゃ公園の樹木と一緒じゃないか。アホちゃうの!!!。
要は木々の葉の群れを真横から眺めるのが一番美しい。窓から木々の枝振り羽振りを眺め、そこへ光が差し込むと葉がワサワサと揺れて、そんなミラクルな光景が美しいわけだ。それでこそ樹木に囲われた感の漂うランドスケープといえる。私もそう考えているが、いつもそんな配慮に出会う実例は大変少ない。みんな無神経に植えているんだ。
木々の葉は横から眺めるのが大変美しい。そのことを知っていたのが建築家吉村順三である。都心の小さな住宅でも小さな樹木を一本だけ植えて、それであたかも森の中にいるような空気を作り出すピクチャーウィンドーの名手であった。もちろん建売住宅業者には、そんな知恵は今もないが・・・。
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