Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

エッセイ650. 関西空港というローカル空港

2023年11月21日 | field work

 関西空港へピックアップに出かける時がある。そんなときいつも不思議に思うのが帰国者のゲートと出口の設えである。
 北と南の二カ所のゲートがある。それぞれのゲートには、それぞれ左右二カ所の出口が設けられ出口正面には到着時刻を示す大型パネルが占拠している。日本への入国者は、その大型パネルの後ろから左右に分かれて出てくることになる。左右の分かれ目には構造柱が立ち相互の視線を遮っている。
 だから待ち合わせるときは、北か南かのゲートを確認し、二つの出口が見える位置に立ち左右に視線を配らせるという案配だ。そうしないと他方の出口から入国者が出てくるとわからないからだ。ツーリストの人間も南北ゲートを往来しながら左右の出口に眼を配らせるわけだが、ピックアップできなくて四カ所の出口の前を右往左往している姿をしばしば見かける。つまり大変ピックアップしにくい構造になっている。
 平面図で見れば人間の動線を、先ず二つに別け、それわさらに二つに別けて都合四カ所の出口という素人臭い考え方は建築設計者(設計:レンゾ・ピアノ)の発想ではない。多分事務屋の機器配置の際に、こうすれば明解じゃんと素人判断で決まったのだろう。おかげて大変ピックアップしにくい構造になっている。人間の動線つまり行動は平面図で判断できるが、認識はアイレベルで判断するという知識が欠落しているあたりは、やはり不勉強な素人がディスプレイの配置をしたのだろう。
 このように建築設計をしていると、サイン表示などの機器配置は建築家の領域外の仕事の事が多い。建築家も完成後に現場をみて、あれ!、という不思議な光景を目にする場面は経験的によくある話だ。
 さらにディスプレイをみていると、内部でつながっているから他のゲートから出る場合もありますと表示される。都合4カ所の出口を見張れというわけだ。こうなるとアホらしくて付き合いきれない。
 まあ国際空港とはいえ関西空港はローカル空港のようであり、出入国手続きなどが中央に集約されているから、まあ小さなコリドール行ききして四カ所の出口を見張ればすむ話だが・・・。
 この頃、いまだに外の食堂はフードコートしかなく、杵屋、ぼて十、カレーのサンマルコ、それに麵所ぐらいしかなく、えっ!、たこ焼きで千円以上と市中より高いのにあきれはて、さっさとビジターをピックアップし京都に戻った。こちらはやよい軒で定食のテイクアウトでもしよう。
(記:2023年7月26日)
iPhone13pro
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする