Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング953.小説:小樽の翠866.カムヒア・・・

2025年01月06日 | field work

 大晦日も随分と遅い時間で、文さんの店は閉店し後片付けも終わり暖簾もしまったし・・・、新年だから風呂でも入って温まろう。湯船からあがり店で一人酒をしていると・・・、ズッ!、ズッ!、とブーツが雪に食い込む音がして文さんの店の前で止まった。鍵を開けると大きな身体の健さんがはいってきてカウンターにもたれかかった。
文「あら具合でも悪いの?。あら身体が冷たい!」。
健さん「仕事場のストーブの具合が悪くて、今日は金物屋に持って行った。寒くて疲れた。文!、熱燗!!」。
文「あいよ、直ぐできるからね。そういって熱燗を健さんの前においた」。
文「風呂追い焚きしてくっから、すぐにはいりな!」。
健さんが熱燗を飲み続けていると風呂がわいた。
文「さあ風呂!」。
そういって健さんの冷たく濡れた外套をお店に干して、健さんを風呂場に押してゆく。
文「わっぁー、冷たく濡れてんじゃん。さあ、全部脱いで熱い風呂にお入り!」。
健さんが濡れた衣服をまき散らかしてザブンと湯船につかる。
時間がとまったように風呂場には湯気がたち、窓の外側には氷が張り付いている。
健さんは、しばらくつかると湯船からでてきて洗い場で固まっている。
文「背中でも流そうか・・・」。
文さんが作務衣の袖をたくしあげて、ヒモでたすき掛けにして健さんの背中を洗い出す。
文「あったまったねぇー。背中から湯気がでているよ。お尻!も」。
そういって文さんのタオルが健さんの股間をごしごしと洗い続けている。
文「ホラ、ペニスも!?」。
文さんの細い指が健さんのペニスの包皮をおしさげゴシゴシと洗っている。
健さん「ううっ、痛い!!」。
文さん「痛いじゃないの。ちゃんと綺麗にしないと夜できないよ。もう熊なんだから」。
健さん「ストーブが壊れたから、今日は一日中暖房が無かった。」
文「なんだぁー・・、はやくもどってくればいいじゃん。よく我慢したね」。
健さんは奥の間の小さな小上がりで熱燗の続きをしている。
文「酒の肴にお正月の料理があるの。やっとうちにもお正月がきたね」。
そして健さんは壁にもたれかかり、ふぅーーっとため息をついている。
文さんが中指を立てて「カムヒア、しようよ!」とさ誘ってくる。
文「ほら、新年のご挨拶だよん」。
そういって健さんを2階の寝室に連れていった。
大晦日の晩は、暖まった健さんの身体が文さんの身体を何回も貫いた。
文さんの店の大晦日は、そんなふうに時間が過ぎていった。
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