カフェテリアの続き
どうしよう、話を聞いちゃったから起きれない、と思っていたら、頭にかけたスケッチブックがさっと取り払われた。
美希「あら、絵を描くおじさんじゃん!!」
そういって美希さんが、アチキのスケッチブックをパラパラとみている。
ああっ、それーーー・・・。
美希「いいじゃん、やっぱデッサンしているから旨いよね。あら、これ翆さんの裸だ!。わっ!、すごーーい、マサヒロ君を産んでいるにしては綺麗な身体だよね。私もこうありたいなぁー・・・」
あーあっ!、全部見ちゃった。でも翆は裸婦のモデルもしていたから、みられても何もいわないだろうけど。
どうして気がついたの?
美希「だってさあ、頭の上にスケッチブックを載せて寝ているんだもん。そんな絵を描く人って、このあたりじゃ叔父さんしかいないじゃん。すぐわかるさ、さあ、一緒に帰ろうよ!」
そう言われて、美希さんと、「あたしの彼氏」と紹介されて、帰り道の連れ合いができた。
彼氏「はい、そそ・・その彼氏です」
・・・
ナンタルに向かう道は、傾いた太陽に照り返されていた。
お寺のお堂で美希さんのリードで筆卸をしてもらった彼氏かぁー。そんなさっきの話のことは言えないしさ、話題を変えよう。
美希さん、高校出たらどうするの?
美希「私、世話好きだから、お姉ちゃんみたいに看護師かな」
ついでに彼氏は?
彼氏「えっ、ボッ、ボッ、ボクですかぁー!?」
美希「やだなぁ、あんたは大学へ行くのよ!。でも札幌市内にしといてよ。逢いにゆけなくなるじゃん。こちら大学の先生だから・・・」
彼氏「ハッ、ハッ、はいです!!!」
なんだぁ、もう美希さんの尻に完全にひかれているじゃん。
そんな尻に惹かれた彼氏と、美希さんと、ナンタルの坂道をあがっていった。
・・・・
小樽の街も夕焼け空だ。秋の空気だな・・・。