にほんブログ村
にほんブログ村
屈斜路湖の外来種筆頭、ウチダザリガニとニジマスの繁殖
2015-8-22 (土) どん曇り 20℃ 夏にしては寒い
午前11時。屈斜路湖のウチダザリガニ撮影に北見を出発。峠のみやや霧。
現場につくと、はや何人もの親子ずれの人たちがザリガニ採りをしていた。
あたりがごろごろ岩場になっておりウチダザリガニはそこにいた。
ウェーダーを履いて岸から3m、腰くらいの深さの底を狙った。
棒きれに50cmほどのテグスにアタリメ(スルメイカ)を縛り付け、静かに岩陰に持っていって誘うと、ウチダザリガニがすっと姿をあらわす。
かなり素早い動きでハサミでアタリメをはさんだところで引っ張る。
こちらも引っ張ると向こうも岩に脚を踏ん張ってかなりの力で抵抗、しかしやがて怪しいと気づいてハサミを放す。
中に、しつこくハサミを放さないでいるザリガニがいる。
ついにこちらの引っ張りに負けて、水中にザリガニが浮いたところをランデングネットで素早くすくう。
ウチダザリガニ採りは多少の自信があったのだが、ここでは思っていたよりは相当難しくて失敗ばかり。
そんなわけで2時間がんばってやっと2匹しかとれない。
突然、水中のアタリメに40cm ほどのニジマスが猛烈アタック、目の前で食いついたがすぐにはなし、ぴゆーっと泳ぎ去った。
一瞬の出来事で、あまりの光景にビックリ仰天したがさすが屈斜路湖である。
大繁殖したニジマスこんな岸辺にもやってくるのだ。
ここで採れるウチダザリガニの大きさは10-15cmと小型。
頭にはするどい角三本、ハサミの付け根には白斑。
この白斑はハサミを開いたときに見えとじると見えなくなる。
アタリメを狙って近づくときはハサミを頻回に開いたり閉じたりするのでこの白斑がぱっぱっとフラッシュ状に見える。
驚くと前にも後ろにも、どの方向にも電光石火の速度で泳いで逃げる。
その素早い泳ぎには驚く。
岩の上に置いて撮影しようとすると、これまたやたらすばしこく水中に逃げ込もうとする。
しかしあきらめるのか、じつとして動かなくなることもある。
夢中になるとウチダザリガニ採りは、面白くて、大の大人でもはまってしまいそう。
そのうち キャンプの子供やその両親などぞろぞろやってきて、大勢でわいわいとウチダザリガニ採りを始めた。
私と違って岸辺から1mもない浅い岩場で、アタリメではなくブタ肉の脂身で次々とおもしろいようにザリガニを採っており、2時間でやっと2匹のシロートザリガニ採りの私は完全に脱帽。
彼らはザリガニ採りが楽しみで毎年キャンプに来る家族たちで今年で3年目というベテラン軍団でした。
私は自分でザリガニ採りをするのを止め、彼らにお願いしてせっせと撮影させてもらった。
約20数匹のザリガニをみたが、すべてウチダザリガニであった。
ハサミの付け根の白斑はハサミをとじているときは見えないのでそこだけ見るとニホンザリガニと誤ってしまう。
しかし、頭のとげはウチダは3本、ニホンザリガニは1本なので、必ず頭部も見てから同定すべきである。
この狭いポイントは知る人ぞ知る有名な屈斜路湖のウチダザリガニ採集ポイントらしくキャンプの子供たちには大人気。
採ったウチダザリガニは茹でて食べる人もいるようだが大方はもとの場所に放すようだ。
この湖に繁殖しているニジマスと同じくキャッチアンドリリースが行われている。
屈斜路湖は1938年、湖底火山の活動で硫酸塩が湖底から噴出、水質がPH4まで悪化、イトウをはじめ殆どの魚類が死滅し、その後ながらく死の湖になっていた。
近年、水質の改善を待ってニジマスなどの放流がはじまった。
同時にニジマスのエサとしてウチダザリガニも放たれたと推定される。
いまやウチダザリガニは湖に大繁殖したニジマスとともに外来生物王国となった屈斜路湖の隠れた人気スターといえよう。
一見したところ、ウチダザリガニによる目立った被害はないので、これを駆除しようという野暮な動きはまったくないようだ。
一方、ニジマスは生態的には、この付近においてもそうとうな悪の権化として活躍していますが、ここではあえて触れないでおきましょう。
にほんブログ村
にほんブログ村