ビッグ・バンドの経営は難しいと言われているが、長寿だったカウント・ペイシーとデューク・エリントンの二大楽団は、リーダーの偉大さは勿論だが、ビッグ・バンド・アンサンブルの要ともいえる編曲を担う優秀なアレンジャーに恵まれていた。そして、練り上げられたスコアに命を吹き込むのはバンドを構成するメンバーであり、其々のメンバーがリーダー作を作る実力者揃いだ。常に高い音楽性を保つことが存続につながる。
その二大楽団に在籍したのがクラーク・テリーだ。48~51年をペイシー楽団、51~59年をエリントン楽団で活躍し、さらに59~60年をクインシー・ジョーンズ楽団、そして60年代末からは自己のビッグ・バンドも結成するというビッグ・バンド人生を歩んだトランペッターである。インパルスに「ハッピー・ホーンズ」というアルバムを録音しているが、このタイトルこそテリーの明朗な音楽性を表していよう。重厚なアンサンブルから抜け出るソロは明るい音色と、軽妙且つ洒脱なフレージングは、一際バンドを華やかにするものだ。バンドの存続には経営力も重要な要素であり、優秀なリーダーなら迷わずテリーをヘッドハンティングするだろう。
テリーが設立した Etoile Records の「Big Bad Band」は70年の録音で、テリーが結成したビッグ・バンド名をタイトルにしている。肝心なアレンジはフィル・ウッズ、フランク・ウェス、そしてアーニー・ウィルキンスが担当し、メンバーにはレイ・コープランド、ジョージ・コールマン、ドン・フリードマンという実力者が並ぶ。ヘッドアレンジだけで自在なアドリブを展開するペイシー・スタイルと、「私の楽器はバンドである」と言ったエリントンの一体感を肌で学んだテリーならではのバンドだ。ビッグ・バンドのノウハウを知り尽くしたテリーはワンホーンのコンボでも光るが、ビッグ・バンドを背景にするのが最も輝いている。
マイルスが若いころテリーをアイドルとして大きな影響を受けたのは有名な話だ。マイルスでなくともトランペッターなら一度はテリーのようにビッグ・バンドをバックに朗々と歌うソロに憧れ、自己のビッグ・バンドを結成したいと願うのだろうが、誰でもが経営できないのがビッグ・バンドの難しさだ。
その二大楽団に在籍したのがクラーク・テリーだ。48~51年をペイシー楽団、51~59年をエリントン楽団で活躍し、さらに59~60年をクインシー・ジョーンズ楽団、そして60年代末からは自己のビッグ・バンドも結成するというビッグ・バンド人生を歩んだトランペッターである。インパルスに「ハッピー・ホーンズ」というアルバムを録音しているが、このタイトルこそテリーの明朗な音楽性を表していよう。重厚なアンサンブルから抜け出るソロは明るい音色と、軽妙且つ洒脱なフレージングは、一際バンドを華やかにするものだ。バンドの存続には経営力も重要な要素であり、優秀なリーダーなら迷わずテリーをヘッドハンティングするだろう。
テリーが設立した Etoile Records の「Big Bad Band」は70年の録音で、テリーが結成したビッグ・バンド名をタイトルにしている。肝心なアレンジはフィル・ウッズ、フランク・ウェス、そしてアーニー・ウィルキンスが担当し、メンバーにはレイ・コープランド、ジョージ・コールマン、ドン・フリードマンという実力者が並ぶ。ヘッドアレンジだけで自在なアドリブを展開するペイシー・スタイルと、「私の楽器はバンドである」と言ったエリントンの一体感を肌で学んだテリーならではのバンドだ。ビッグ・バンドのノウハウを知り尽くしたテリーはワンホーンのコンボでも光るが、ビッグ・バンドを背景にするのが最も輝いている。
マイルスが若いころテリーをアイドルとして大きな影響を受けたのは有名な話だ。マイルスでなくともトランペッターなら一度はテリーのようにビッグ・バンドをバックに朗々と歌うソロに憧れ、自己のビッグ・バンドを結成したいと願うのだろうが、誰でもが経営できないのがビッグ・バンドの難しさだ。