ウェスト・コーストを代表するトロンボーン奏者、フランク・ロソリーノは、ジャズをメインにポップスや映画音楽の録音までありとあらゆるセッションに引っ張りだこになった人だ。低予算のため一発録りが多いスタジオの仕事で要求されるのは変化に富んだアドリブや表現力よりも、譜面に正確で常に安定した演奏ができることが条件になる。当時最高のテクニックを誇ったロソリーノは、どんな仕事であれ完璧にこなしていたという。
そのロソリーノの後継者と呼ばれるのはアンディ・マーティンだ。ロソリーノが活躍していた1960年に生まれたマーティンは、ビル・ホルマンやクインシー・ジョーンズのビッグバンドでの仕事をはじめ、ポピュラー畑ではポール・アンカ、ニール・ダイアモンドのレコーディング、さらに猿の惑星、スパイダーマンといった映画音楽に至るまでフィールドは広い。まさにロソリーノの音楽活動をそのまま引き継いだ形だ。ロソリーノ譲りの超絶とまで言われる技巧を持ち、片隅にしかクレジットされない小さな仕事も引き受けたからには手抜きをしないどころか他のミュージシャンまでをも鼓舞する積極性が買われたのである。
「It's Fine...It's Andy !」はロソリーノに捧げたワンホーンのアルバムで、ヤン・ラングレンが極上のピアノでマーティンを支えたアルバムだ。ロソリーノの愛想曲が中心だが、なかでも何度か録音している「ドキシー」が圧巻で、ロソリーノ風に吹くのではなく作者のロリンズの意図を計ったようにテーマの切り出しは力強い。高低差のある早いフレーズのアドリブは見事なもので楽器がまるで身体の一部かとさえ思わせるほどだ。トロンボーンは正確に演奏するのが難しい楽器といわれ、早いパッセージをスライドさせるには相当な練習量が必要とされるが、マーティンもロソリーノ同様、現場という練習を重ねたことだろう。
忘れてならないのは効率よくトロンボーンを響かせるマウスピースで、形状やリムにより微妙に音が変るそうだ。世界中の金管プレーヤーが愛用しているテリー・ワーバートンが製作したなかにフランク・ロソリーノ・モデルがあり、歯切れの良い発音とやせることの無い高音を実現したマウスピースだという。このマウスピースを使用することで誰でもがロソリーノやマーティンのような深みのある音を出せるわけではないが、技巧派に一歩近づけるかもしれない。
そのロソリーノの後継者と呼ばれるのはアンディ・マーティンだ。ロソリーノが活躍していた1960年に生まれたマーティンは、ビル・ホルマンやクインシー・ジョーンズのビッグバンドでの仕事をはじめ、ポピュラー畑ではポール・アンカ、ニール・ダイアモンドのレコーディング、さらに猿の惑星、スパイダーマンといった映画音楽に至るまでフィールドは広い。まさにロソリーノの音楽活動をそのまま引き継いだ形だ。ロソリーノ譲りの超絶とまで言われる技巧を持ち、片隅にしかクレジットされない小さな仕事も引き受けたからには手抜きをしないどころか他のミュージシャンまでをも鼓舞する積極性が買われたのである。
「It's Fine...It's Andy !」はロソリーノに捧げたワンホーンのアルバムで、ヤン・ラングレンが極上のピアノでマーティンを支えたアルバムだ。ロソリーノの愛想曲が中心だが、なかでも何度か録音している「ドキシー」が圧巻で、ロソリーノ風に吹くのではなく作者のロリンズの意図を計ったようにテーマの切り出しは力強い。高低差のある早いフレーズのアドリブは見事なもので楽器がまるで身体の一部かとさえ思わせるほどだ。トロンボーンは正確に演奏するのが難しい楽器といわれ、早いパッセージをスライドさせるには相当な練習量が必要とされるが、マーティンもロソリーノ同様、現場という練習を重ねたことだろう。
忘れてならないのは効率よくトロンボーンを響かせるマウスピースで、形状やリムにより微妙に音が変るそうだ。世界中の金管プレーヤーが愛用しているテリー・ワーバートンが製作したなかにフランク・ロソリーノ・モデルがあり、歯切れの良い発音とやせることの無い高音を実現したマウスピースだという。このマウスピースを使用することで誰でもがロソリーノやマーティンのような深みのある音を出せるわけではないが、技巧派に一歩近づけるかもしれない。