ジャズ史も100年を超えると同姓同名もあれば、似たような名前もある。先日、中古CD店の棚で「James Carter」の名前を見つけたが、咄嗟に誰なのか思い出せない。クレジットによると楽器はアルトにテナー、バリトンのサックス、レーベルはディスクユニオン設立の「DIW」となると、ボビー・ブラッドフォードと組んでオーネット・コールマン以降のニュージャズ・シーンを賑わしたマルチリード奏者か?
いや、違うな。あれは「John Carter」だ。では「James Carter」とは・・・そうだ、フランク・ロウのサクセンプルやレスター・ボウイのオルガン・アンサンブルに参加していた若手のリード奏者だ。70年代のニュージャズを彷彿させるアヴァンギャルドな演奏が微かに記憶に残っている。どうやらこのアルバムはデビュー作のようでオリジナル曲を中心にサン・ラの「Hour Of Parting 」と、テキサス・テナーのジョン・ハーディの「Lunatic」、そして何とエリントン作が2曲入っているではないか。オリジナルばかりだと敬遠するが、エリントン・ナンバーを取り上げているとなれば聴くのが義務に思えるから不思議だ。
その2曲とは「Caravan」と、「Sophisticated Lady」である。前者は勢いで乗り切れるとしても後者は天下一品のバラードだけに吹き上げるには相当な歌心が必要だ。アルバムタイトル曲の「Jc on the Set」から始まるのだが、これが予想通りのハードな演奏で圧倒される。こうなるとテーマを大きく崩すゲイリー・トーマスの展開が頭を過ぎるが、良い意味で大きく期待を裏切られた。この曲ではバリトンを吹いているが、楽器の特性を生かし、叙情性豊かに歌い上げるのには驚く。ハリー・カーネイへの畏敬の表れだろう。この録音時24歳だが、どの楽器も完璧にこなす技量は相応の年齢をはるかに超えている。
カーターは、「Tough Young Tenors」というアルバムに参加していた。ティム・ウォーフィールドをはじめハーブ・ハリス、ウォルター ・ブランディング、トッド ・ウィリアムズといったタイトル通りの若手テナー奏者が一同に会したセッションだ。なかでもずば抜けていたのはカーターである。聴き込むうちにジャズ誌に紹介されていた記事を思い出した。ソニー・ロリンズが最も注目すべき若手サックス奏者として、ジェームス・カーターの名前を挙げていたことを。
いや、違うな。あれは「John Carter」だ。では「James Carter」とは・・・そうだ、フランク・ロウのサクセンプルやレスター・ボウイのオルガン・アンサンブルに参加していた若手のリード奏者だ。70年代のニュージャズを彷彿させるアヴァンギャルドな演奏が微かに記憶に残っている。どうやらこのアルバムはデビュー作のようでオリジナル曲を中心にサン・ラの「Hour Of Parting 」と、テキサス・テナーのジョン・ハーディの「Lunatic」、そして何とエリントン作が2曲入っているではないか。オリジナルばかりだと敬遠するが、エリントン・ナンバーを取り上げているとなれば聴くのが義務に思えるから不思議だ。
その2曲とは「Caravan」と、「Sophisticated Lady」である。前者は勢いで乗り切れるとしても後者は天下一品のバラードだけに吹き上げるには相当な歌心が必要だ。アルバムタイトル曲の「Jc on the Set」から始まるのだが、これが予想通りのハードな演奏で圧倒される。こうなるとテーマを大きく崩すゲイリー・トーマスの展開が頭を過ぎるが、良い意味で大きく期待を裏切られた。この曲ではバリトンを吹いているが、楽器の特性を生かし、叙情性豊かに歌い上げるのには驚く。ハリー・カーネイへの畏敬の表れだろう。この録音時24歳だが、どの楽器も完璧にこなす技量は相応の年齢をはるかに超えている。
カーターは、「Tough Young Tenors」というアルバムに参加していた。ティム・ウォーフィールドをはじめハーブ・ハリス、ウォルター ・ブランディング、トッド ・ウィリアムズといったタイトル通りの若手テナー奏者が一同に会したセッションだ。なかでもずば抜けていたのはカーターである。聴き込むうちにジャズ誌に紹介されていた記事を思い出した。ソニー・ロリンズが最も注目すべき若手サックス奏者として、ジェームス・カーターの名前を挙げていたことを。