
週に一、二度書店を覘くのが慣わしになっている。新刊書特有の匂いが好きなのだが、ここのところ用が重なり二週間ほどご無沙汰していた。平積みされた新刊の顔が一様に変わっていて、いつものようにキャッチコピーの帯文を眺めていると、馴染みの店長が奥から一冊の本を持ってきた。二冊仕入れて一冊売れたとかで、この一冊は小生のために取っておいたと言わんばかりである。
渡された本の帯文には「山本容子のジャズ絵本」、タイトルは「jazzing」とある。銅版画家としてお名前は存じていたが、作品を見るのは初めてのこと。音楽という時間そのものを一枚の紙の中で表現するアイデアで、作曲家谷川賢作さんプロデュースによるCDも付いている。絵を見ながら音楽を聞く体験が出来る仕掛けだ。耳馴染みのスタンダード二十数曲のなかに「ネイチャー・ボーイ」があった。
ナット・キング・コールの甘い歌声を思い出された方もいらっしゃるだろう。マイルス・デイヴィスや、ジョン・コルトレーンも取り上げている美しいメロディーで、アマチュアのソングライター、イーデン・アーベスが曲を書き、ナットに売り込みに行って、その場でマネージャーに追い返されたという逸話が残っている。置いていった楽譜を見たナットが気に入りヒットしたというから面白いものだ。そういえば、ナットでヒットした「モナ・リザ」はフランク・シナトラが蹴った曲だった。シナトラはアンディ・ウィリアムスが歌った「慕情」も断っている。こんな甘い曲歌えるか、というわけだ。一流の歌手には選曲の自由があるようだ。
丁寧に描かれた山本さんの絵本を開くと一枚の絵から大きな夢が描かれる。子どものころ、雑誌の付録にソノシートが付いていた。今はCDだが、耳で音を聴くことで、空想化された夢が形になる。形が大きくなるほど心も豊かになる。豊かな心に「いじめ」の隙間はない。
渡された本の帯文には「山本容子のジャズ絵本」、タイトルは「jazzing」とある。銅版画家としてお名前は存じていたが、作品を見るのは初めてのこと。音楽という時間そのものを一枚の紙の中で表現するアイデアで、作曲家谷川賢作さんプロデュースによるCDも付いている。絵を見ながら音楽を聞く体験が出来る仕掛けだ。耳馴染みのスタンダード二十数曲のなかに「ネイチャー・ボーイ」があった。
ナット・キング・コールの甘い歌声を思い出された方もいらっしゃるだろう。マイルス・デイヴィスや、ジョン・コルトレーンも取り上げている美しいメロディーで、アマチュアのソングライター、イーデン・アーベスが曲を書き、ナットに売り込みに行って、その場でマネージャーに追い返されたという逸話が残っている。置いていった楽譜を見たナットが気に入りヒットしたというから面白いものだ。そういえば、ナットでヒットした「モナ・リザ」はフランク・シナトラが蹴った曲だった。シナトラはアンディ・ウィリアムスが歌った「慕情」も断っている。こんな甘い曲歌えるか、というわけだ。一流の歌手には選曲の自由があるようだ。
丁寧に描かれた山本さんの絵本を開くと一枚の絵から大きな夢が描かれる。子どものころ、雑誌の付録にソノシートが付いていた。今はCDだが、耳で音を聴くことで、空想化された夢が形になる。形が大きくなるほど心も豊かになる。豊かな心に「いじめ」の隙間はない。
今年も残すところあと僅かになりました。師走の忙しい中、時に甘いナット・キング・コールの歌声に浸ってみてはいかがでしょう。
「アフター・ミッドナイト」というハリー・エディソンが参加したジャズ名盤もありますが、ポピュラー・シンガーとしてのナットの好みをお聞かせください。
管理人ナット・キング・コール・フェイバリット3
Mona Lisa
Nature Boy
Those Lazy Hazy Crazy Days Of Summer
今週も沢山のコメントお待ちしております。
>アマチュアのソングライター、イーデン・アーベスが曲を書き、
確かアラブ人の巡礼者でしたよね、この人。
エキゾチックで情緒的なメロディの「Nature Boy」、
Teddy Charles Tentet や、ミルトのモントルー75 など、
ヴァイブ奏者の名演が何故かすぐに思いつきます。
管の名演は、どうでしょう?
>ポピュラー・シンガーとしてのナットの好み
う~ん、ナットはベストアルバムを含めて2~3点
しか持ってないんで、コメントする資格は「?」ですが・・・
○Unforgettable
○Sweet Lorraine
○Stardust
大歌手は曲を選ぶ、というの、やはりあるんですね!
私の知る限り、サラ・ヴォーンが歌ったAngel Eyesの
音源は皆無です。
好きじゃなかったんでしょうな。
「Nature Boy」の管の名演というと、マイルスが思いつきます。「ブルー・ムーズ」というアルバム自体エキゾチックですね。あとはバルネ・ウィランでしょうか。
やはり Unforgettable がお好みでしたか。ナットはこの曲がヒットしたあたりから歌手に専念したといわれております。娘ナタリーとの「共演」も聴かせますねぇ。
Angel Eyes は恋焦がれている女性を歌っておりますので、男に恵まれていたサラ・ヴォーンには縁のない歌詞のせいでしょうか。結婚暦、当然離婚暦もダイナ・ワシントンの次と聞いております。(笑)
聴いていないのですが、「Nature Boy」はいい
ですね。
それから、25-25さんが挙げていらっしゃる
Unforgettableが好きです。
ナタリー・コールが、亡きナットとスクリーンで
の共演をした映像を見ましたが、ナタリーのちょ
っとした表情が、実に良くナットに似ているので
ドキッとしました。
と、話が逸れてすみません。
今回は、ナット・キング・コールですか。
実は私もあまり聴いていないのです。
その中で印象に残っているのは、duke様お奨めのMona LisaとNature Boyです。
ジャズはコンボが一番だと思い込んでいた時期が長かったため、ヴォーカルの素晴らしさがわかるようになったのは40歳過ぎ頃からなのです。
勉強しないといけませんね。
では、では、
>実に良くナットに似ているのでドキッとしました。
私の娘は私に似なくて良かったと言っています。私に似れば美人なのになぁと思っております。(笑)
>話が逸れてすみません。
話題が飛ぶのは大歓迎です。週末にはナットが、納豆及び食文化論、キングが、殿並びに君主論、コールが、リーチ併せて賭博論に変わっております。(笑)
Mona Lisa、Nature Boy 好いですねぇ。うっとりしますよ。
コンボにはコンボの良さ、ヴォーカルにはヴォーカルの素晴らしさがあります。ヴォーカルにもジャズ・ヴォーカル、ポピュラー・ヴォーカル、其々味わいがありますね。この垣根はどうにも難しいようでして、シナトラは?「ラヴァース・コンチェルト」のサラは?随分前にそんな議論をしていた評論家がおりましたが、ヴォーカルに関してはジャンルがないですね。
そうだ、忘れていました!
Debut 原盤の「Blue Moods」。
サイドが、Britt Woodman(tb), Teddy Charles(vib),
Charlie Mingus(b), Elvin Jones(ds)という、
まさに空前絶後のセッションですね!
私は、Fantasy からの再発LPで持っていますが、
これは今では滅多にお目にかからない、
ブルーのカラー・レコードです。
>この垣根はどうにも難しいようでして、シナトラは?「ラヴァース・コンチェルト」のサラは?随分前にそんな議論をしていた評論家がおりましたが、ヴォーカルに関してはジャンルがないですね。
同感ですね。
リンダ・ロンシュタットがジャズのスタンダードばかり
歌ったアルバムを聴いたことがありますが、なかなか
聴き応えがありましたよ。
先日除かせて頂きましたが、
何処に書き込んでよいやらわ
からず、失礼しました。
それでは。
1.just you just me(after midnightから)
~間奏のウイリー・スミス(as)、コールのピアノ、もちろん唄も最高!
2.blame it on my youth(after midnightから)
~コールの唄を聴くと・・・なにかしゃれた短編ドラマを見ているようだ。
3.for all we know(vocal classicsから)
~これもシミジミと好きなバラードです。実にいい曲だ・・・たしかポール・デスモンドも吹いていた。
とりあえず思いつく3つを挙げてみました。そういえば、コールのクリスマス曲もいいですよね。