コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

読む閑ないから、誰か読んでくれ

2010-06-17 02:22:00 | ブックオフ本




『隠すマスコミ、騙されるマスコミ』(小林 雅一 文春新書)

911以降、アメリカのメディアが「隠し」、「騙されて」いる実態がよくわかる。しかし、アメリカ以上に「隠し」ている日本のマスコミに触れた部分があまりにも少ない。日本の場合は、「隠し」「騙され」の司令塔はアメリカにあるのだが。



『政治・行政の考え方』(松下 圭一 岩波新書)

「キリンの首はなぜ長いのか」とか「竿だけ屋はなぜつぶれないのか」といった「売らんかな」の書名を付けよとまではいわないが、『政治・行政の考え方』では、あまりにも「売らないかんな」ではないか。松圭センセの本は、勉強になるのに、「おもしろくないかんな」といっているようで、「いまどきなあ」とおもしろいくらい。予算と法律に基づく政策づくりの基本がわかる。だからさ、マニュフェストは、政策ではないわけよ。



『安心のファシズム-支配されたがる人々』(斎藤 貴男 岩波新書)

イラク人質事件、自動改札機と携帯電話、心の教育、監視カメラ、社会ダーウィニズムなど、2004年刊行の小泉竹中路線下の社会諸相の論考。『支配されたがる人々-安心のファシズム』とメインとサブのタイトルを入れ替えたほうがよいのでは。アメリカと官僚に、「支配されたがる人々」によって、世界のどこにも類を見ない「安心のファシズム」が覆っている国なのだから。

(敬称略)