コタツ評論

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菅首相、退陣せず!

2011-06-02 23:12:00 | 3・11大震災


今日の午後、都内にいくつもある小沢関係事務所のひとつに顔を出した知人の話。前日の電話で、「金集めを急がなくては」と呼びつけた相手方は呆然としていて、声をかけた知人に、「ヤメだヤメだ」と吐き捨てるようにいったそうだ。

小沢・鳩山グループは、不信任案に反対票を投ずる代わりに菅首相に退陣を迫る段取りだった。菅首相という猫の首に鈴をつける役には、鳩山前首相が手を挙げた。

午前中に官邸で行われた菅・鳩山会談で、菅首相が合意書に基づく退陣について、双方が合意をしたのを鳩山前首相は確認した。

そのすぐ後に開かれた民主党代議士会の場において、合意したとおり、菅首相は「一定の時期に退陣」を表明した。

それを受けて発言に立った鳩山前首相が、「不信任案反対」を出席者に呼びかけた結果、圧倒的大差で不信任案は否決された。

記者団から、「退陣時期」はいつなのかと問われた鳩山前首相は、合意書に書いてある、「復興基本法案の可決と第2補正予算案の提出」がメドとなる「6月いっぱい」と発言した。

それを聴いた記者の一人が、ただちに民主党の岡田幹事長に確認に走ったところ、岡田幹事長は、鳩山前首相の6月退陣説について、「合意は退陣の条件ではない」と即座に否定した。

「合意書に退陣の時期は書いていない。菅首相がいったとおり、東日本大震災の復興と福島第一原発事故の収束にメドがついてから、つまり(退陣の)時期は決まっていない」

岡田幹事長は、午前中に官邸で行われた菅・鳩山会談に同席していて、退陣時期を明記して合意書にサインすることを求められたが、拒否したという。この官邸会談には、鳩山前首相に平野博文元官房長官が同行したはずだが、会談に同席したかは不明。合意書の内容は以下。

確認事項

一、民主党を壊さないこと
二、自民党政権に逆戻りさせないこと
三、大震災の復興並びに被災者の救済に責任を持つこと

①東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案
 (復興基本法律案)の成立
②第二次補正予算の早期編成にめどをつけること


誰がどうみても、鳩山・小沢側の完敗である。岡田幹事長の否定発言に対して、鳩山前首相は、「ウソです。人間ウソをついてはいけません」といったのが、敗北のダメ押しになった。

私は、菅直人と民主党執行部を少し見直した。政治家は、その政治的な能力が高ければよいのであって、人格識見がとくに優れている必要はない。そして、政治的な能力には、当然、権謀術策が含まれるものだ。

首相、来年1月まで続投示唆、「冷温停止まで私の責任」
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9C8197E09B9C99E2E68DE2E0E2E4E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;at=ALL

東日本大震災の復興と福島第一原発事故の収束について、「民主党が一体となって」「与野党が一丸となって」「国民が心をひとつにして」、被災者や避難民の苦しみを救ってほしい、というコメントを識者や街の声としてよく聞かされる。

党内をまとめ、野党と合意成立し、国民の求心力を高めるのは、政治家の政治的能力によって実現されるものであり、それ以外のヨウ素やプルトニウムではない。

(敬称略)
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菅首相の退陣表明?

2011-06-02 13:07:00 | 3・11大震災


ただいま、6月2日(木)、午後1時5分
不信任案採決を前に、民主党代議士会の場で、菅首相が、「大震災復興と福島第一原発事故の収束のめどが立った時点で、退陣したい」と発表したというNHKニュース。

不信任案可決を防ごうという菅首相の最後の譲歩か、あるいは不信任案否決の条件として、「退陣表明」を呑んだのか。もうすぐ行われる採決でわかるだろう。

ただいま、午後1時15分。引き続き、民主党代議士会で鳩山前首相が、「一定の時期に菅首相の退陣を進言した」と発言するところが映される。すると、やはり、退陣表明とひきかえに不信任案否決の流れか。

というような時々刻々で書こうかと思っていたが、大島理森自民党副総裁の無内容で長い不信任案趣旨演説を聴くうちにうんざりしてきて、民主党側の山井和則衆議院議員のさらにスカスカな不信任案反対演説に及び、とても聴くに堪えなくなってきた。

大島自民党副総裁はつまり街頭選挙演説。なるほど、議員自身もその同僚たちを、街頭の選挙演説を聴く国民大衆と同じレベルと考えているのがよくわかった。あれは聴衆をバカにしているのではなかったようだ。山井議員のそれは高校の生徒会長立候補スピーチ、それも進学校なら失笑を買うだろうレベルだった。

結果は、投票総数445票、反対293票、賛成152票で、不信任案否決。民主党から賛成に回ったのは、松木謙公前農林水産政務官と横粂勝仁の二人だけだったらしい。小沢グループを抜け、菅首相に反旗を翻すとは、横粂勝仁、なかなかやるじゃないか。

さて、今回の不信任案採決に関して、終始、マスコミが注目していたのは、鳩山・小沢とそのグループの動向だった。つまり、民主党からどれくらいの数が、不信任案賛成に回り、倒閣に走るのか。

もう少し、深堀りした記事では、自民の保守を巻き込んだ鳩山新党や小沢グループ離党の動きを観測していた。その逆に、自民党が何かを民主党に仕掛けた、仕掛けるらしいという記事は、寡聞にしてまったく見かけなかった。

野党自民党側が倒閣や民主党政権引きずり下ろしのために、民主党議員票にどんな切り崩し策を持っているのか、具体的にはどんな手を打っているのか。いままでと同様に、今回も自民党には何の動きもなかったらしい。

自民党には、一人の小沢も、一人の政略家もいないのか。政権を得なければ、政策はない。逆に言えば、政策がないから、政権を得ようという政略も出ないのではないか。小沢腹心の松木謙公と新人議員横粂勝仁の二人しか離反しなかったとは、自民党が民主党議員のただの一人も取り込めず、切り崩せなかったことになる。

不信任案可決には至らなくとも、どれほど賛成票を増やして政権を揺さぶるか。政権を狙うはずの野党自民党の前進はそこにあったはず。自民党のふがいなさにもっとも歯噛みしたのは、もしかすると小沢一郎ではないだろうか。

もちろん、今回の不信任案の否決が、菅首相とその内閣に対する国民の信任を表すものとはとうていいえないが、これで全党的な信任を受けたとはいえる。菅直人は昨年の代表選以来、二度選び直されたことになる。

大差の否決が示すものは、野党自民党の無為無策に思える。これほど弱体の与党を支えるのが、より弱体の野党であるとすれば、それはいつか見た、自社55年体制の復活ではないか。

するとまたぞろ、アメリカが「強力な野党」として、内政に口出ししてくることになるわけか。あ~あ、せっかくの休日を無駄にした。いや、人生の大事な時間を無駄にした。

(敬称略)

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