コタツ評論

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がんばれ日本! という恥知らず

2011-06-22 01:37:00 | 3・11大震災



ちょうどゴルバチョフからエリツィンに代わる寸前、ソ連時代のシベリアの冬を旅したことがある。経済が崩壊したおかげで、「ソ連人」たちは飢餓線上にあると日本では憂慮されていたが、貧しく飢えているはずの彼らは、一様に太っていて血色がよかった。ある朝、泊まったイルクーツクのホテルから散歩しようと外に出たら、貧しい身なりのアジア人の男達が身体を寄せ合うように固まっているのを目撃した。15,6人はいただろうか。通訳氏に、「あの人たちは?」と尋ねると、「ベトナム人だ」という。いま北朝鮮は外貨を稼ぐために、シベリアに森林伐採労働者を輸出しているそうだが、アメリカの経済制裁が解けていなかった当時のベトナムも、ソ連に労働者を輸出して出稼ぎさせていた。通訳氏の話によると、ソ連人が嫌がる最低の仕事をするのがベトナム人労働者だそうで、たぶん、ホテルの配水管や下水の掃除をするそうだ。作業が命ぜられるまで、零下の屋外で足踏みしながら待ち続ける様子に、「どうして、中に入れないのか?」と通訳氏に聞くと、首をすくめてみせた。いったい、この人たちは、健康診断を受けているのだろうか? 社会保険には加入しているのだろうか? 労災が受けられるような会社なのだろうか? なにより、きちんとした給与が支払われているのだろうか?

福島第1原発:作業員30人特定できず…被ばく線量検査
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110621k0000m040069000c.html